子どもの浮き指改善 鷹栖の理学療法士団体に奨励賞 靴選びなどアドバイス

「親が子どもにできることは、足に合った靴を選んであげること」と話す大河原七生さん

【鷹栖】町内の理学療法士でつくる団体「ティプト」が、子どものつま先がしっかり地面につかない「浮き指」症状の改善に取り組んでいる。保育施設で調査し、浮き指の可能性が高い子どもの保護者に対して靴の選び方などをアドバイスしている。活動が評価され今年2月には公益財団法人「運動器の健康・日本協会」(東京)が選出する「運動器の健康・日本賞」の奨励賞を受賞した。

ティプトは代表の大河原七生(ななみ)さん(37)のほか、七生さんの夫和也さん(38)、同じく町内で子育てをする北山謙一郎さん(41)の理学療法士3人でつくる。浮き指に焦点を当てたのは、運動能力の発達を阻害しかねないとの危機感に加え、「専門知識を地域貢献に生かしたい」との思いがあったからだ。

調査は、2020年から23年までの年1回実施。町内の保育園と幼稚園計3園の協力を得て、通園する3~6歳、延べ約600人の足裏を「ピドスコープ」という機器を使って観察した。

初年の20年には85%の子どもに浮き指がみられた。そこで、該当する子どもの親らに対し、▽足に合わせやすいよう甲部分にベルトが付いた靴を選ぶ ▽重心が体の後にこないように硬い靴を選ぶ ▽靴のかかとを踏ませない-などをアドバイスした。

地道な活動が奏功しつつあり、23年に浮き指の子どもは67.8%に減少した。さらに、足の親指が「くの字」形に変形する「外反母趾(ぼし)」に改善がみられた事例もあったという。七生さんは「知識が定着して靴の買い方に変化があったのではないか」と手応えを感じている。

ティプトは今後、小中学生や高齢者にも調査対象の範囲を広げていく考え。「足の課題はなかなか見つけにくい。調査を続けて地域に貢献したい」と七生さんは意気込んでいる。

浮き指

立って静止している状態で、つま先が地面と十分に接触していない足の状態。バランスが崩れて姿勢が悪くなりやすいとされる。成人では重心が移動する際に支える力が足りなくなるなどして、転倒しやすくなったり、歩行速度の低下などにもつながる報告がある。2021年に発表された山梨大の研究によれば、山梨県内の7、8歳396人のうち96.7%が浮き指だった。

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