「産後ママ食」栄養満点 江別市立病院が提供開始

「産後ママ食」の利用を呼びかける市立病院の職員ら

【江別】江別市立病院は1日から、出産で入院した女性のための特別食「産後ママ食」の提供を始める。市立病院は管理栄養士が考案した特別食を提供することで、出産後の女性の体力回復に役立ててもらう考えだ。

バランス良い献立、おかずも増量

市立病院は経営改善に向け、昨年6~8月に出産のために入院した女性約70人に対し、アンケートを実施。この結果、「おかずが物足りなかった」「パンや麺類など白米以外の主食も食べたい」など病院食への不満が相次ぎ、特別食の導入を決めた。

特別食は栄養士が考案し、産後に必要なタンパク質や鉄分などの栄養素をバランス良く摂取できるよう工夫している。通常食と比べ栄養価は200カロリーほど高いという。

「産後ママ食」の一例。手前から時計回りに朝食、昼食、夕食で通常の病院食よりもおかずが多いなど工夫されている

「産後ママ食」の一例。手前から時計回りに朝食、昼食、夕食で通常の病院食よりもおかずが多いなど工夫されている

スズキのアクアパッツァやビビンバ、ミラノ風カツレツやパエリアなどが日替わりで楽しめ、通常食と比べておかずの品数も充実。週3回ほど朝食にパンが提供され、毎日午後3時には果物などデザートも出る。

1食当たりの料金は通常の200円増し。希望者には退院するまで提供され、1食単位では選べない。治療上の理由で利用できない場合もある。

市内では2019年5月に市内の民間クリニックが出産の受け入れを休止し、出産できる医療機関は市立病院のみとなった。同病院の出産件数は2019年度に約500に上ったが、23年度は430件だった。

市立病院の長谷部直幸・病院事業管理者は「医療機関として生き残るためにも魅力づくりは重要だ。産後ママ食が市立病院で出産したいと思うきっかけとなればうれしい」と話した。

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