札幌で「産後ケアホテル」開業を目指す 高橋奈美さん
産後の母親の体と心を癒やす「産後ケアホテル」を道内につくる―。長女(2)が生後4カ月だった時、そう決意した。
昨年4月、一緒に夢をかなえてくれる仲間をインスタグラムで募集した。今月14~15日、札幌市北区にあるホテルの一部を借り、初の試行宿泊を1泊2日で行った。「最初は夢物語だったのにスタートが切れた。サービスを広めて、いろんな人の力になりたい」
札幌で生まれ育った。行動力と明るい笑顔が持ち味だが、2021年11月の長女出産から3~6カ月たったころ、毎日死を考えるほどのうつ状態になる。「まさか自分が」。夫は多忙で、出張が多い。コロナ禍で友人とも会えず、孤独感やストレスが重なっていた。
乗り越え方を調べていた時、道外のケアホテルの存在を動画サイトで知った。宿泊中はいつでも乳児を預かってもらえ、授乳指導やマッサージなどのサービスもある。しかし道内にはない。夫らと宿泊できる点も魅力で「家族一緒に育児をスタートする場をつくりたい」と、起業を決心した。
今年3月、女性の力で「持続可能な開発目標(SDGs)」を広め、輝き続けたい女性を応援する「ミセスSDGsジャパン道大会」に挑戦した。産後の母親の孤独さや社会で支える必要性を訴え、グランプリに輝いた。今月27日に横浜市で開かれる全国大会に出場する。
試行宿泊は応募した4組ですべて埋まり、うち3組は家族で安らかな時間を過ごしてくれた。その笑顔を励みに本格開業を目指す。30歳。(石橋治佳)
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