連載コラム「井澤綾華のうちのごはんができるまで」第3回
農家の家庭菜園 4世代の胃袋支える

カブとラディッシュ
私の家族が営む井澤農園のビニールハウスでは、パンジーなどが咲き始め、自宅前の直売所も4月末にオープンしました。花や苗を求め、毎年苫小牧や帯広からもお客さんが来ます。
昨年入籍して始まった、夫の祖父母、両親との3世代暮らし。今年3月にはわが子が加わり、4世代になりました。「家族が食べる野菜は全て自分たちで作る!」のが井澤農園の基本。畑の一角で自家消費用の野菜60品種以上、果物も10品種ほど作っていて、今は種まきや苗を植える作業の真っ最中です。
自宅用の野菜作りは、農家にとっていい勉強になります。直売所のお客さんから「自家菜園でこんな野菜を作ったんだけど、うまくいかなくて」などと相談された時、適切なアドバイスができます。私にとっても家族が食べるものを自分で作るのは、貴重な体験。家庭菜園を作る消費者に近い立場かもしれません。
さて、今わが家で一番人気がある野菜は、カブ。春と初冬の2度、おいしい時期を迎えます。
冬に出回るものは高温で雨の多い夏に成長するため、病気に負けないよう防腐作用や抗菌作用のある成分をため込み、辛くなります。春に手に入るものは冬の寒さに耐え、糖を蓄えてゆっくり育つので、甘くて食感も滑らか。野菜の味は品種だけではなく、気温や天気も左右していることを実感します。だから、旬のものはおいしいんですね。

カブのバター炒め
カブ
生のまま薄切りにし、塩とオイルをかけるだけで絶品です。子どもに旬を知らせるには、一緒に買い物するのが一番。おいしく、栄養がたっぷりあることを伝えましょう。苦手な野菜には「親しむ」機会をつくるといいですね。
(写真提供:井澤 綾華さん)
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