【レシピ紹介】 子どもも喜ぶキャンプめし 札幌のフードコーディネーター舛田さんにコツを聞く
厳しい暑さが一段落し、秋の気配を感じる9月。涼しくなったこの時期に家族でキャンプを楽しむ人も多いのでは。子どもも喜ぶ「キャンプめし」を札幌在住のフードコーディネーター、舛田悠紀子さんに聞きました。

1966年、青森県生まれ。広告代理店での勤務後、30代から料理研究家のアシスタントとして家庭料理を学ぶ。料理教室主宰をへて、レシピ開発や監修などを行う。子ども2人は独立し、夫と2匹の犬とキャンプに出掛けるのがライフワーク。フードコーディネーター、北海道フードマイスター。
日本生産性本部の「レジャー白書2024」によると、オートキャンプの参加人口は前年比40万人減の240万人。ピークの21年(290万人)から減少傾向ですが、1人あたりの年間のキャンプ回数は平均8.2回と前年の6.5回を上回り、人気の定着を示しています。
舛田さんもキャンプに魅せられた一人。「湖や夕焼け、星空など、北海道の絶景のとりこになりました。その土地の食材を使ってみるのも醍醐味(だいごみ)の一つ」と語ります。
自宅で材料カット 洗い物最低限に
キャンプ場の環境に合わせたレシピ「キャンプめし」を自身の著書やSNS(交流サイト)で発信する舛田さんによると、キャンプめしを楽しむコツは「洗い物は最低限」。洗い場が遠くて自由に使えないことも多いキャンプ場での鉄則だといいます。
また、生肉はなるべく避け、加工肉や缶詰を活用するのもポイントです。すぐに手や調理器具を洗えないので、細菌感染のリスクもあり注意が必要とのことです。
キノコたっぷり簡単パエリア
お勧めのメニューは「簡単パエリア」。自宅で材料を切っておき、硬めに炊いたご飯を持って行けば、少ない工程で作ることができます。「この作り方だと、ご飯がキノコとソーセージ、ベビーホタテのうまみを吸っておいしくなります」と太鼓判を押します。

お手軽キャンプ飯「パエリア」。キノコとソーセージ、ベビーホタテを炒め、硬めに炊いた米を入れうまみをしみこませる(石川崇子撮影)
使った調理器具はアルミ製鉄板「マルチグリドル」。浅い中華鍋のような見た目で、軽くて持ち運びしやすいとキャンパーの間で人気だといいます。「もちろん普通のフライパンでOKです」(舛田さん)。
材料(2人分)
作り方
- シメジは石づきを取り、ほぐす。シイタケ、マッシュルームは縦に薄切り、赤パプリカは縦1.5センチ幅に切る。ウインナーソーセージは斜め薄切りにする。
- フライパンにオリーブオイル大さじ2とキノコ類を入れ、やや強火で焼き付けるように炒める。ウインナーソーセージ、ベビーホタテ、赤パプリカの順に加えてそれぞれ炒める。
- 水100cc、Aを加えて一煮立ちさせたらご飯を加えて混ぜ、塩、コショウで味を調える。
- ご飯がスープを吸ったら、残りのオリーブオイルを回しかけ、強火にしてご飯の周りをカリッと焦がす。仕上げにお好みでパセリを散らし、レモンを飾る。
フレンチトースト
他に、フレンチトーストは、卵液と食パンをジッパー付き袋に入れ、手でもんでから焼くと、漬け時間が少なくてもしっとり焼き上がります。焼きリンゴもカットしてから焼けば、時短で失敗しにくいです。

ジッパー付きポリ袋で1枚ずつ作るフレンチトースト。卵液に浸す時間は3分と短い(舛田さん提供)
材料(1人分)
作り方
- 食パンは半分に切り、フォークで何カ所か穴を開ける。Aを合わせて卵液を作っておく。
- ジッパー付き保存袋にパンを入れ、卵液を注ぐ。袋を閉じ、上から優しく2、3回押す。
- 3分たってパンが卵液を吸ったら、フライパンを熱しバターを入れて溶かす。パンを並べ、弱火で両面にきれいな焼き色が付くまで焼く。仕上げにメープルシロップなどをかけて完成。
フライパンで作る焼きリンゴ

カットしたリンゴで作る、時短で失敗なしの焼きリンゴ。添えるのはクリームチーズやホイップクリームでも(舛田さん提供)
材料(2人分)
作り方
- リンゴは四つ割りにして、芯を取り除く。さらにそれぞれを3等分し、全部で12切れにする。
- フライパンにバターを入れて熱して溶かす。一度火を止め、リンゴを放射状に並べ砂糖を半量振る。
- 再び火をつけ中火でソテーする。2、3分たったら裏返してふた(なければアルミホイル)をして弱火で5分蒸し焼きにする。
- ふたを取りさらに何度か返しながら水分を飛ばして完成。マスカルポーネを添え、シナモンを振りかける。
映えより手軽さ
舛田さんはキャンプめしを巡るSNSの投稿から「近年は『映え』よりも手軽さを重視するキャンパーが多い」と分析し、洗い物や工程の少ないレシピを考案しているといいます。「調理は簡単にして、ご飯をゆっくり食べる時間、家族で話す時間を楽しんでもらいたい」と話しています。
10月から、北海道新聞「きょうの一品」の執筆者に、舛田悠紀子さんが加わります。
取材・文/水野可菜 (北海道新聞記者)
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