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子どものおねしょ、治療で早期改善 「5歳以上で悩む場合は受診を」 保護者の負担軽減グッズも

子どものおねしょは多くが成長とともに自然に治るとされます。ただ、5歳以上で、月1回以上のおねしょが3カ月以上続く「夜尿症」の場合は、治療で早期の改善が期待できます。

おねしょするしないは発達速度の違い

夜尿症の要因は①夜の睡眠中にぼうこうに尿をためることができる量が少ない②夜間に尿量を調節するホルモンが十分に分泌されないことなどにより尿量が多い③寝ている間の尿意に対する脳の反応が鈍いの三つ。

「おねしょをするかどうかは、子どもの発達速度の違い。背が早く伸びる子と遅く伸びる子がいるのと仕組みは同じです」。小児夜尿専門外来を設けている北海道泌尿器科記念病院(札幌)の古野剛史医師は、こう説明します。赤ちゃんの時は一定量がたまると尿が出ますが、成長とともに尿を我慢できるようになっていきます。おねしょをするのはその成長が追いついていない状態なのです。

古野医師によると、夜尿症は、7歳児の10%ほどにみられます。病院の受診が必要なのは、日中にも尿漏れがある場合や、一度治ったおねしょが再び出てきた場合。別の病気の可能性があるためです。

年間10~15%ほどは自然と治り、9割以上の子どもはいずれおねしょをしなくなります。ただ治るには結構時間がかかる。治療をすると治癒率は約2倍に上がるといい、「毎日おねしょする場合は難治性が高い。治療で治るまでの時間を短縮できるので、5歳を過ぎておねしょで困っている場合は受診してください」と話します。

受診しても必ず治療を始めるわけではありません。日中にこまめにトイレに行き、我慢しないようにする、夕食以降の水分摂取を制限し、利尿作用のある牛乳、ジュース、カフェインの入ったお茶を避けるなどの生活指導から始める場合もあります。

治療は、薬で夜のおしっこの量を少なくする、おねしょをするとアラームが鳴る専用のセンサーをパンツの中に取り付けて、アラームが鳴ったらトイレに行かせる行動療法などがあります。

同病院の外来は、受診した人の7割が2年以内に改善しているといいます。週4回以上の「頻回」の子どもの受診が多く、数年通う場合もあります。

おねしょをした時に怒ってしまう保護者の方もいますが、古野医師は「発達のばらつきで誰のせいでもない。怒ることではない」といいます。夜尿症は専門外来のほか小児科でも診察しているので、「おねしょについて診察しているかどうかを事前に確認してほしい」と助言しています。

保護者の負担を減らす「おねしょズボン」も

子どものおねしょは「しからない」。そうは言っても、洗濯の大変さや発達への焦りなど、頭を悩ます保護者の方も多いです。おねしょへの対応を楽にする「おねしょズボン」などのサポートグッズを使うのも一つの手です。

ネットショップ「おねしょバイバイ.com」では、おねしょを内側で吸収し、布団にしみ出さない「おねしょガードズボン」を始め、おねしょパンツや防水シーツなどを販売しています。ズボンのサイズは130~150センチ。これより大きいサイズもあります。宿泊学習や合宿に履いていけるよう、ジャージーのような見た目なのがポイントです。

おねしょバイバイ.comで販売している「おねしょガードズボン」(同店提供)

同店の代表和田麻衣子さん(50)=福岡県在住=は、長男が小学校に上がってもおねしょが続いていたといいます。ほぼ毎朝、掛け布団までびっしょり。「仕事を頑張らないといけない時期に、大量の洗濯物から一日が始まる。子どもをきつくしかっては、落ち込む毎日だった」と振り返ります。

2010年当時、おむつは赤ちゃん用か介護用しか見当たらず、「小学生になってもおねしょで悩んでいるのはうちだけなのでは」と焦りにもつながりました。同じような状況の家庭があると思い、同年、情報発信のためのネットショップを開設。翌年から自らおねしょズボンを開発、販売するようになりました。

和田さんは「親子ともに、『おねしょをしても大丈夫』と、ゆったりした心で過ごせるようになってほしい」と話しています。

取材・文/石橋治佳水野可菜 (北海道新聞記者)

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