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子どもと地域つなぐ「小さな美術館」 知内・涌元小 町内会が待合所改装 閉校後も活用へ

3月に閉校する涌元小の児童の作品を四半世紀にわたって展示し続けてきた「小さな美術館」

【知内】涌元小(中野聡校長、11人)の児童が授業で描いた絵などを展示する「小さな美術館」は、開設から四半世紀以上、子どもたちと地域の人々をつなぐ場として愛されてきた。同校は3月に閉校するが、維持管理する涌元町内会は、今後も子どもらの作品の展示などを模索、これからも住民が憩う場として活用を続けていく考えだ。

「モモンガ」「バレーボールをする女の子」「ソフトクリーム」―。12日、全校児童が昨秋に作成した版画作品11点が掲示され、通りがかりの女性が「どれも上手だね」と笑顔を見せた。

同美術館は1999年、涌元地区の中心部の函館バスの待合所に開設された。当時の田中健一校長が「子どもたちの頑張りを見てもらいたい」と提案したのを機に、待合所を所有する同町内会が作品が展示できるように改装。バスを待つ住民の目を楽しませてきた。

同美術館は幅4.5メートル、高さ2.5メートル、奥行き2メートルほど。絵や習字、版画などを展示する。美術館開設時に教頭だった佐藤篤正さん(76)=函館市在住=は「作品からは子どもたちの元気が伝わり、地域に彩りを与えた」と振り返る。

現在は同校の校務補が作品を年に2、3回入れ替える。展示スペースが限られていることなどから、全員の力作を一度に紹介できるよう、作品をデジカメで撮影した上で、縮小印刷して掲示している。5年の渡辺聖恋奈(せれな)さん(11)は「近所の人から『上手だね。作品よかったよ』と言ってもらえるのがうれしい」と話す。

運動会の日程など学校からのお知らせも掲示している。同校は丘の上にあり、美術館からは約350メートル。中野校長は「住民は気軽に学校からのお便りを見られる。美術館が地域の人と学校の距離を縮めてくれた」と語る。

2023年10月に函館バスの路線が廃止され、待合所としての機能がなくなった後も、美術館は地域住民が集う場であり続けている。涌元町内会の田中雄二会長は「今後も子どもたちの作品を引き続き飾れると1番いい。たとえ、それが難しくても、地域の人の発表の場にできれば」と、新たな可能性を模索している。

取材・文/足立結(北海道新聞記者)

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