子どもに居場所 舞台で輝いて 江別・劇団メビック40年 ありのまま実感

発表会のリハーサルで生き生きと演じる子どもたち=昨年12月、札幌市教育文化会館
【江別】市内野幌若葉町の「劇団メビック」は約40年にわたり、子どもミュージカルの上演を続けている。稽古や年に1回の発表会は、家庭や学校以外で自分の存在意義を感じられる貴重な機会になっている。
「僕いる?」「君が必要なんだ」。昨年12月下旬、札幌市教育文化会館大ホールで行われたメビックの発表会。江別や札幌に住む5~18歳の団員約30人が笑顔で歌い、踊り、来場者から盛んな拍手を受けた。
演目はオリジナル脚本で2009年初演の「TREEはTRUE」。特別になりたいと願う3本の木が挫折を経験して、自身の存在意義を見つける物語は、家庭や学校に居場所を見つけられない子どもの思いとも重なり、繰り返し上演している。
舞台を見守った劇団総監督の内越努さん(52)は「子どもたちに人生の中でスポットライトを浴びる経験をしてほしい」と願いを込める。
メビックは、内越さんの父で札幌の愛隣チャペルキリスト教会牧師の言平さん(12年死去)が1986年に始めた。活動の目的には「自分をそのまま認めてくれる居場所」「本当の意味での居場所」という二つの「居場所」の提供を掲げる。稽古を行っていた教会は2018年に江別市内に移った。
発表会に「木」の役の一人として出演した加入3年目の小学4年生、小熊彩音さん(10)は「劇団では場を盛り上げ、明るく振る舞える」と笑顔で話した。
同教会主任牧師でもある内越さんは「普通に見えても、実際は悩みを抱え、心の中で叫んでいる子どもたちは多い。劇団が自分はいていいんだと実感できる場所になれば」と話している。
問い合わせは劇団メビック、電話070・9112・8416へ。
取材・文/ 原田廉(北海道新聞記者)
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