\大切なお知らせ/

mamatalkは2025年9月末をもって
サービスを終了いたします。
一部の記事は MouLa HOKKAIDO にて
引き続きご覧いただけます。

これまでのご利用、
本当にありがとうございました。

「大容量・低価格」 子育て世代狙う ロピア北海道1号店オープン

オープン初日から多くの買物客でにぎわうロピア屯田店=11月23日午前10時50分、札幌市北区(中島聡一朗撮影)

オープン初日から多くの買物客でにぎわうロピア屯田店=11月23日午前10時50分、札幌市北区(中島聡一朗撮影)

食品スーパー「ロピア」を運営するOIC(オイシー)グループ(川崎)が11月23日、札幌市北区で北海道初出店となる「ロピア屯田店」をオープンした。総合スーパーのイトーヨーカ堂と西友が撤退するなど小売業界の競争が激しい道内で、「大容量・低価格」を前面に打ち出し、消費者の支持を集めたい考えだ。一方、道内では出店攻勢を強めるだけでなく、加工会社などの生産拠点も設け、道内外の店舗で「北海道ブランド」の商品を増やす戦略も描いている。

開店前から行列 精算は現金

屯田店がオープンしたのは、OICグループの商業施設「シーナシーナ屯田」1階。イトーヨーカドー屯田店(7月に閉店)だった建物を、イトーヨーカ堂から承継した。売り場には生鮮食品や総菜、日配品など約1万2千品が並び、開店前から行列ができるなど初日からにぎわった。

精肉売り場には、ロピアの代名詞とも言える1キロ超の大容量パックが並ぶ。低価格を実現するため、大量仕入れに加え、小分けにしないことでパック詰めなどの手間を減らしている。精算は現金のみで、手数料がかかるクレジットカードは使えない。ペットボトル飲料も常温で販売している。

ロピアの相川博史取締役営業本部長は「子育て世代をターゲットに、安く、おなかいっぱい食べてもらうための品ぞろえで、他社とは全く異なる」と話す。開店直後に訪れた札幌市東区の主婦吉本美香さん(42)も「他では見ない商品が多く、選ぶのが楽しい」と満足そうな表情を見せる。

オープン初日に訪れた買い物客=23日午前10時15分、札幌市北区(中島聡一朗撮影)

ロピアは直近5年で首都圏を中心に店舗数を倍増させており、屯田店は105店目。グループの売上高は2024年2月期に4126億円で、5年で3倍以上伸びた。道内では29年2月期に25店まで店舗数を増やし、売上高計1千億円を目指す。札幌を中心に旭川、函館への出店もうかがう。

約2割がPB 道内にも生産拠点

ロピアの売り場で目立つのが商品の約2割を占めるプライベートブランド(PB)だ。PBは委託製造が一般的だが、OICグループの食品会社などで製造し、独自性ある商品開発やコスト抑制につなげている。目指すのは、ニトリなどに代表される企画から製造、販売まで一貫して自社管理する製造小売り(SPA)の業態だ。

道内でも屯田店開店より一足先に、10月に北海道千歳ハム(千歳)を傘下に収めた。OICグループの浜野仁志取締役経営戦略本部長は「グループに入ってもらえる道内の食品製造や農業関連の会社を探している。拠点を増やし、北海道ブランドの商品を本州や世界に届けていきたい」と力を込める。

ロピアの道内進出を受け、道内大手スーパーの幹部は「メインの客層が異なるので影響は少ない」と静観の構えを見せる。ただ、札幌や苫小牧に展開する豊月(苫小牧)が既存2店をディスカウント業態に転換するなど、対抗する動きも出始めており、道内の小売業界でのロピアの存在感は、出店数の増加とともに高まりそうだ。

取材・文/ 高橋祐二 (北海道新聞記者)

この記事に関連するタグ

2025
9/6
SAT

Area

北海道外

その他