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連載「男性と育児その先へ」

45歳以上で子ども誕生「シニアパパ」 体力は? 定年後は? SNSで悩み共有

写真はイメージ(HIME&HINA / PIXTA)

45歳以上で子どもが生まれた父親が増えています。ただ2023年に産まれた子どもの父親の5%ほどと割合は少なく、孤立化の懸念もあります。父親支援に取り組むNPO法人ファザーリング・ジャパン(東京)は、昨年から「シニアパパ」と名付け、ネットワークづくりに取り組んでいます。

20年間で1.6倍 東京のNPOがサポート

厚生労働省の人口動態調査によると、23年に子どもが生まれた父親の平均年齢は34.2歳。20年前の03年と比べると2.2歳上昇しました。45歳以上で子どもが生まれた父親は3万5846人と、20年前の2万1805人と比べると1.6倍に増えています。

出生時の父親の平均年齢

出生時に45歳以上だった父親の数の比較

ただ、全体に占める割合では5.1%。「身近にはいない」という場合が多いです。このためファザーリング・ジャパンは、抱えている問題や悩みを共有する場を作ろうと、「45歳以上で新生児が生まれたパパ」を「シニアパパ」と定義。昨年9月に、シニアパパプロジェクトを始めました。専用サイトで実体験の情報を発信し、SNS上に当事者同士が情報交換できる場をつくっています。

ファザーリング・ジャパンによると、シニアパパは、若い世代より経済力がある場合が多く、管理職などになっていて仕事で時間の融通が利きやすいなど、子育てにプラスになることもあります。一方で、体力の低下、子どもの自立前に定年退職を迎えるなど収入面の不安、介護とのダブルケアなどの課題を抱えます。

シニアパパプロジェクトのサイト画面

シニアパパプロジェクトのサイト画面

プロジェクトのサイトで当事者インタビューに応じた、札幌市の会社員幡生(はたぶ)祐介さん(52)は、未就学児2人の父親。47歳の時に、第1子の長男が生まれました。

会社では管理職として業務をマネジメントする立場にあります。「仕事をある程度自分でコントロールできる。忙しさも、資料の作成などの締め切りを守らなければならない立場である若い社員とは意味合いは違う」と、育児に充てる時間をつくりやすいと話します。

子育てについて「仕事と違い、育児は時間が決まっていない。24時間止まらないし、いろいろなことが起こる」と、大変さを痛感します。20~30代の父親と意識や行動に差があると思うことはありませんが、「周りにシニアパパはいない。集団で話すことができれば、シニアパパならではの悩みを共有し、解決策を考えることができる」と、つながる場の重要性を語ります。

徳倉康之さん

徳倉康之さん

ファザーリング・ジャパン副代表理事の徳倉康之さん(44)=高松市在住=は「生き方が多様化する中、父親になるタイミングは人それぞれ。今後、シニアパパ同士の交流や悩みを共有する場を求めるニーズは高まるだろう」と指摘。ネットワークをさらに広げ、将来アンケートを実施する考えも示しました。

取材・文/石橋治佳(北海道新聞記者)

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