多彩なプログラムで子育て支援 安平で「おはなしカフェ」を開いた石川英俊さん

いしかわ・ひでとし 1989年、札幌出身。小学4年で捨て猫を拾った経験から動物愛護に興味を持ち、帯広畜産大で学校飼育動物が子供の情操教育にどう貢献するかを研究。卒業後、北海道教育委員会に入り根室教育局などを経て2020年に退職。4年前により良い子育て環境を求めて安平に移住。現在、企業の依頼で社員の悩みを聞くカウンセリングなどをしながら、3歳児と5歳児を育てる。
子育て中の人を応援する「おはなしカフェ」が7月、安平町内早来地区と追分地区で初めて開かれた。「親同士が交流できる場を」と、ネイルサロンや子供の写真撮影、子育ての悩みを聞くなど多彩なプログラムを用意した。企画した石川英俊さん(34)にイベントに込めた思いや、自ら「主夫」として子育てに携わった経験などを聞いた。
親同士が交流できる場を
――初の「おはなしカフェ」はいかがでしたか。
「2日間で想像を超える110人が来てくれました。ネイルなどの体験ブースは予約でほぼいっぱいでしたが、予約なしのお母さんたちもパンとコーヒーを楽しみながらお話ししたり、にぎやかでした。子育て世代を中心に考えていましたが、それよりも上の世代も来てくれてうれしかった」
――企画したきっかけは。
「幼稚園に上がる前の0~3歳児のお母さんは子供と一対一で向き合っていることが多く、特に私を含め移住者は、子連れで行ける場所が限られているんです。お母さんたちが自分の時間を持てたり、自分のこれからのキャリアについて相談できるような場を設けたかった」
――ご自身、「主夫」として子育ての経験が。
「北海道教育委員会に勤務していた頃、学校に通えず生きづらさを感じている子供や悩む保護者の声を聞いていて、『苦しければ学校に行かなくていいよ』と言える親でいたいと思っていました。ところが実際に自分に子供が生まれると、子供が『休みたい』と言っても、夫婦ともどうしても仕事に行かなければいけない時もある。そうすると『ごめん、今日は頑張って行ってほしい』と言うことが何度もありました。それで夫婦どちらかが仕事を辞めて子供と向き合うことにしたのですが、ずっと子育てに興味があった私が辞めることにしました」
――男性が子育てする難しさは。
「当初は平日にこども園などで他の子供と遊ばせることはできても、お母さん同士の輪には入りづらく、ママ友とプライベートで連絡を取って土日や長期休みにまで会う関係にはなかなかなれませんでした。なるべく他の子と遊ばせたかったのですが、連絡先を聞くのも変に思われるかもと思って。周辺の児童館などにも行きましたが、結局はいつもと同じ遊びしかできなかったこともありました。今は育児の仲間もできました」
――今後「おはなしカフェ」は。
「次回は11月27日に町内のカフェを貸し切りにして6人限定で開催しますが、ありがたいことに定員に達しました。今後も定期的にカフェを開いていきたいと思っています」
取材・文/松本悌一(北海道新聞記者)
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