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子どもの「つなぎ」、脱がずにトイレ 竹栄のスノーウエア「おしりジップ!」

子どもの雪遊びに欠かせない、「つなぎ」と呼ばれる上下一体型のスノーウエア(防寒着)。多くの競合商品がある中、札幌の衣料製造卸「竹栄(たけえい)」が展開するブランド「yuk(ユック)」のスノーコンビ「おトイレ楽ちんおしりジップ!」(1万2980円)が売れ行きを伸ばしている。名前の通り、お尻の部分にジッパーを付け、大きく開くようにしているため、トイレで脱がずに済むのが特徴だ。2013年の発売以降も、親からの要望を柔軟に取り入れ、年々進化を続けている。

1928年(昭和3年)創業の竹栄は衣料品卸が本業だが、2000年代に入り自社で製造から販売まで手がけるユニクロなどの大手が市場を席巻し、卸だけでは生き残れないと判断。1967年に商標登録して休眠状態だった自社ブランドを復活させ、独自性の高い商品を自ら製造、販売することにした。第1弾がこの商品だ。

会話がヒントに

「着たままで用を足せる」というアイデアは、子育て中の従業員の会話がヒントになった。「つなぎはトイレが大変」「いったん脱がすと、絶対着たがらないよね」―。お尻の部分が大きく開く構造にすることは決まったが、どうすれば汚れないか。従業員の子どもに試着させて何度も検証し、ジッパーの角度など、ミリ単位で調整を重ねた。「微妙なさじ加減が、かなり難しかった」(同社)という。

1年目は300着を製造。量販店で4千円未満の安価なつなぎが並ぶ中、当初は苦戦した。しかし、オンラインショップでじわじわと売れ始め、「こういうのを探していた」と好意的なコメントがネット上で増え、軌道に乗った。オンラインと道内の量販店、アウトドア専門店などで、今季は計3千着を販売する計画だ。

改善点洗い出す

子ども用スノーウエアは現在、上下分かれるタイプも含め12種類を展開。「おしりジップ!」の発売以降、オンラインストアの購入客のコメント欄をすべて確認し、改善点を洗い出すようにしている。さらに、SNSで募集した道内の子育て中の5人程度を「アンバサダー」(応援隊)に任命し、要望を商品開発に反映させることにした。

「手袋をなくしがち」という声から、手袋に取り付けるひもを手首部分に付けた。防寒性能をさらに高くという要望を受け、裏地を改良。炭を使った蓄熱保温素材を使うことにした。21年からは、「お下がり」になることを見据えて、名前を書くタグを2枚にした。デザインも、他社のスノーウエアは派手な色使いが多い中、あえて「かわいらしさ」を優先し、白や淡いパステルカラーをそろえる。

今年8月に札幌の直営店で開いた予約販売会には、3日間で150人が来店。評判は道内にとどまらず、現在は購入客の半分は道外という。竹田尚弘社長(44)は「今後もニーズに合わせてより良いものに変えていく。北海道発のブランドとして海外向けの販売にも力を入れたい」と話す。

取材・文/有田麻子(北海道新聞記者)

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