AED おもちゃで親しんで 北見・坂野電機、11月1日から予約 本物の使い方再現

11月に予約販売を始めるAEDを模したおもちゃ「トイこころ」(星野雄飛撮影)
産業機械の販売や修理などを手がける坂野電機工業所(北見)が11月1日から、自動体外式除細動器(AED)を模した玩具「TOY COCORO(トイこころ)」の先行予約販売を開始する。「日本初のAEDおもちゃ」として、企画から約2年をかけ、ようやく商品化にこぎ着けた。開発者の坂野恭介社長(37)は「お医者さんごっこのおもちゃとして、世界中の子どもたちに楽しくAEDを学んでもらい、いつか誰かの命を救うことにつながれば」と夢を描く。
「いつか命救う助けに」
坂野社長は、臨床工学技士や医療機器メーカー社員として8年間働いた後、2018年に家業の同社に入った。医療経験を生かそうとAEDの販売を始めたが、その存在が社会に浸透していない事実に直面。「日本には約70万台もAEDがあるのに、使い方を知らない人がほとんど」。「怖くてまじめ」なイメージのあるAEDを身近に感じてもらおうと、おもちゃ製作を始めた。
トイこころは、2枚の「電極パッド」をぬいぐるみに貼り付けて遊ぶことを想定。音声ガイダンスに従って「心肺蘇生」を行う。黄色く光るハート形ボタンを押すと本体がぶるぶると震え、「電気ショック」が流れる。リズム音に合わせて「心臓マッサージ」も行い、蘇生すれば「ミッション完了だ!」と音声が流れる。
「子どもに間違ったことは教えたくない」と、音や光など楽しく遊べるよう工夫しつつも、実際のAEDの使い方をほぼ完全に再現した。
対象年齢は3歳以上。販売予定価格は4290円。千個限定で、トイこころのホームページで受け付ける。また幼稚園へプレゼントしたい人のためのプレゼント券も用意。購入数に合わせて、全国の希望する幼稚園にランダムに贈られる。
坂野社長は「おもちゃ作りは初めてで、千個しか作れなかった。大量生産してより安く販売できるよう、まずは最初の千人になってほしい」と呼びかけている。
取材・文/宮脇ふく子(北海道新聞記者)
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