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命の大切さ 大平まゆみさん絵本に 闘病中の元札響コンサートマスター キリンを主人公に歌 作詞作曲も

絵本「きりんのうた」を手にする大平さんのアシスタント奥田萌さん(右)、絵を描いたひだのかな代さん(中央)、エアG’の特集番組に出演する森本優さん

筋萎縮性側索硬化症(ALS)で闘病中の元札幌交響楽団コンサートマスター大平まゆみさんが絵本「きりんのうた」(北海道新聞社)を刊行する。キリンを題材にした歌が生まれる物語で、戦争や命の尊さについても考えさせられる。巻末のQRコードから、大平さんが作詞作曲した歌のメロディーと合成音声による朗読を聞ける。

大平さんは2019年にALSを発症し、札響を退団。気管切開で発語が困難となったが、視線入力による意志伝達装置と自分の声を再生する音声合成ソフト「ボイスター」を使用。現在もエアG’のラジオ番組「朝クラ!」に録音した音声で出演している。

大平まゆみさん(本人提供)

絵本は大平さんがこの番組で、ゾウやクマを描いた歌はあるが、キリンの歌を見つけられなかったという体験を伝えたのがきっかけ。釧路市動物園へのキリン寄贈に関わった女性たちから要望されたものだったが、編集者が「それならば」と絵本と曲作りを提案した。

やりとりは無料通信アプリLINE(ライン)が中心。物語では動物園の園長がゾウやカバを巡り歩きながら、地球温暖化や戦争の影響が動物にも及んでいることを紹介する。戦地から逃れたキリンの親子を新たに迎えるに当たり、園長が大事なバイオリンを手にすると、キリンを主人公にした歌が聞こえだす。

「すべての子どもたちに平和と命の大切さを伝えたい」と大平さん。絵は札幌の絵本作家ひだのかな代さんが担当した。リアルな色使いで動物の特徴を捉え、温かな雰囲気。「大平さんと一体になった気持ちで、良いものを描けたと思います」
本に登場する歌のメロディーは大平さんの指示を受け、札幌出身の東京芸大大学院生山本真幸(まさき)さんが五線譜に書き入れ、編曲した。QRコードから聞ける曲は山本さんと仲間が演奏した。

エアG’は「朝クラ!」で27日午前5時から、ひだのさんが進行役を務める番組「にこにこぎゅっ」で11月3日午前8時半から、今回の制作に携わった人の思いを特集する。また、札幌の書店「ちいさなえほんやひだまり」は3日から12月25日まで原画展を開く。

A4変型判32ページ。10月26日発売で、1760円。売り上げの一部は北海道こどもホスピスプロジェクトに寄付される。

取材・文/斉藤高広(北海道新聞記者)

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