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チャイルドシート、6歳以上も装着を シートの必要性と正しい使い方を解説

学童用のチャイルドシートを使う平田晴仁さん

6歳未満の子どもは道路交通法で装着が義務づけられているチャイルドシート。「6歳になったら卒業」と考える保護者もいますが、6歳以上は体格に応じてチャイルドシートを使うことが推奨されています。国土交通省などは「子どもの安全を守るため、シートの必要性と正しい使い方を理解してほしい」と呼びかけています。

大人用ベルトすり抜ける恐れ

「いつまで着けるべきかよく知らなかった」。札幌市中央区の公務員平田裕理子さん(37)は1~6歳の3人の子どもを育て、それぞれにチャイルドシートを使っています。小学1年の長男・晴仁さんについて、平田さんは「義務でなくなり、そろそろ卒業と思っていた」といいます。ですが6歳以上も着用が望ましいとインターネットで知り、「まだまだ使う必要がある」と驚いていました。

チャイルドシートは2000年4月に6歳未満の着用が義務づけられ、08年6月には、後部座席を含む全ての座席でのシートベルトの着用が義務化されました。

シートベルトは大人の着用が想定されています。子どもの体格に合わない場合、事故時にシートベルトをすり抜けたり、腹部を圧迫してけがをしたりする危険性があります。6歳以上でも正しく着用できるまでは、チャイルドシートの着用が推奨されています。

体格に合っているか確認を

国交省などによると、チャイルドシートは乳児用(対象0~1歳くらい)、幼児用(1~4歳くらい)、学童用(4~10歳くらい)の3種類に分けられ、体格に合わせて使い方が変わります。

乳児用は、頭から背中にかけて体全体で支えることができ、寝かせるタイプ。幼児用は、支えがなくても座れるようになったら使い、肩ベルト2本や腰ベルトで体を押さえます。学童用は、座高を上げて腰ベルトの位置を子どもの体に合わせるなどして、大人用の座席ベルトを使えるようにします。

では、チャイルドシートはいつまで必要なのでしょうか。日本自動車工業会は「身長150センチになるまで」、日本自動車連盟(JAF)は「身長140センチ未満」は学童用シートを着用することを推奨しています。文部科学省の統計では、子どもの平均身長が140センチを超えるのは10~11歳、150センチを超えるのは12歳です。ただ身長はあくまで目安で、各団体は体格に合わせて使うよう勧めています。

6歳未満 未使用で致死率4.2倍

義務化から20年以上たつものの、チャイルドシートの着用率は低いです。警察庁とJAFの23年の調査では、道内の6歳未満の着用率は67.3%にとどまり、全国平均を8.7ポイント下回っていました。

警察庁によると、6歳未満のチャイルドシート未使用時の致死率(19~23年)は、使用時の約4.2倍です。自動車の衝突安全を研究する関西大学の伊藤大輔教授(42)は「法律の規定にかかわらず、子どもを守るためにチャイルドシートを使わない選択肢はない」と強調しています。

死亡のリスクだけではなく、伊藤教授は「未使用の場合、急ブレーキでも後部座席に座っていた子どもが吹っ飛ぶ事態にもなりうる」と指摘。前の座席の背面にぶつかるなどし、軽微な衝突であっても大けがにつながる危険性があります。

体格に合わせて正しく使うポイントについて、伊藤教授は「ベルトが正しい位置を維持できることが重要」と話します。シートベルトを使う学童用は「腰ベルトが骨盤の出っ張っている所より下にかかっていること、ベルトが滑ってずれないか確認して」と説明します。肩のベルトは首に掛かからないようにします。両肩にかけるベルトが付く乳幼児用では、正しく締めて体にフィットさせることが大事です。

JAF札幌支部の安藤純一さんは「子どもが泣いたり、嫌がったりすることがあると思うが、重傷化を防ぎ、命を守るためにシートを使ってほしい」と訴えています。

「Eマーク」未認証品に注意

チャイルドシートを購入する時は、国の安全基準マーク(Eマーク)の確認が必要です。4月には、未認証品が大手通販サイトで販売されていることを問題視したX(旧ツイッター)の投稿が話題になりました。

国土交通省によると、道路交通法が6歳未満に着用を義務付けるのは保安基準を満たすシートです。Eマークのない製品は該当しません。

学童用のシートにつけられた国の安全基準マーク(Eマーク)

未認証品について投稿したのは、関東在住の40代会社員男性=北海道出身=です。日本交通安全教育普及協会のチャイルドシート指導員の資格を持ち、正しい使い方をXなどで発信しています。Xではサイトで販売されている未認証品を取り上げ、注意を呼びかけました。男性は、取材に対し「安全なチャイルドシートと思わせるような表記があって悪質だ」と話しました。

この投稿の影響で、国交省には4月、ほかの未認証品に関する情報が複数寄せられたといいます。同省はサイト運営者に未認証品がないか確認するよう呼び掛け、サイト運営者が自主的に削除したケースもありました。今回、男性が指摘した商品は拡散後に削除されたといいます。

未認証製品のネット販売を巡っては、同省が2017年にネットで販売されていた7製品を調べ、いずれも安全基準を満たさず、衝突実験では固定金具が壊れてダミー人形が前に放り出されるなど、使用すると重篤なけがをする恐れがあると分かりました。

販売自体は規制できないため、同省は専用窓口を同省ホームページに設置し、未認証品の情報を受け付けています。審査・リコール課の担当者は「削除されても別のサイトで販売が続くなど、いたちごっこのようでもある」と話していました。

取材・文/石橋治佳(北海道新聞記者)

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