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えりもで保育士不足深刻 町立中央保育所 退職者補充追いつかず 浦河に通わせる人も

慢性的な保育士不足が続く、えりも町立中央保育所

慢性的な保育士不足が続く、えりも町立中央保育所

【えりも】慢性的な保育士不足が続く町内保育所の欠員解消へ、町は12月5日から保育士4人の募集を始めた。町中心部に近い町立中央保育所(歌別)では保育士不足で今年、5人の待機児童が発生。子どもが入所できず、35キロ離れた浦河の保育所まで通わせる家庭もあり、町は人材確保へ対策を急ぐ。ただ、保育士募集は今年3回目で、新たな採用につながるかは不透明だ。

町内には三つの町立保育所があり、民間の保育所はない。人手不足が深刻なのは0~5歳の約60人が通う中央保育所。保育士1人が受け持つ子どもの人数は国の基準で定められ、同保育所は今年4月時点で0歳と2歳のクラスで保育士が1人ずつ足りず、計5人の入所を断らざるを得なかった。北村里美所長は「定員を上回る応募があり、入所させられなかった家庭には本当に申し訳ない」という。

長男(3)と次男(1)が入所できなかった家庭は、次に近いえりも岬保育所にも空きがなく、浦河町内の町立保育所に預けている。30代の母親は入所条件を満たすため、えりもでの仕事を辞め、浦河で新しい職に就いた。この母親は「まさか浦河町まで通わせることになるとは思わず、送り迎えなど大変。子どもに何かあった時に、保育所は自宅に近い方が安心なので、地元で受け入れられるようになってほしい」と望んだ。

保育所を管理するえりも町町民生活課によると、2018年度から現在までに3保育所で保育士計10人が退職した一方、就職したのは4人。結婚や出産、夫の転勤で急きょ退職するケースが多く、山本裕文課長は「求人をかけてもなかなか人が集まらず、人手不足が常態化している。町立の施設なので、職員の賃金は柔軟に上げられない」と頭を抱える。

保育士不足に追い打ちをかけそうなのが、政府が少子化対策の具体策としてまとめた「こども未来戦略」の内容だ。保育の質を高める狙いで、保育士1人がみる子どもの数の基準を1歳児は6人から5人、4~5歳児は30人から25人にする方針で、現状よりも多くの保育士が必要になる。

保育士を増員した施設には国からの給付が増額されるが、町内の保育関係者は「結局は人材の奪い合いが加速し、若者にとって魅力がある都市部の保育所への流出が進むのではないか」と危惧する声もある。

来年度に入所する子どもの募集は締め切ったが、待機児童が出る可能性が高いといい、町は人手不足の打開へ対策を練る。保育士の資格取得に必要な修学資金を学生に貸し付け、町内で一定期間勤務すれば返済免除となる制度の新設を検討しているという。山本課長は「これ以上待機児童を出さないために、しっかり方策を考える」と話している。(和田樹)

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