札幌市の就労・子育て支援「ここシェルジュ」 母親の相談件数が開設時の6倍に 在宅ワーク講座も好評

ここシェルジュで実施された在宅ワークのスキル講座(札幌市提供)
母親の就労や子育て支援の相談を一括して受け付ける札幌市の常設窓口「ここシェルジュSAPPORO」(北区北8西3)の利用が広がっている。相談件数は窓口を開設した2018年度の323件に対し、22年度は1887件と約6倍に増加。子育てイベントやSNSを活用したPRに加え、22年度から在宅ワークのスキル講座を始めたことで認知度が高まった。
ここシェルジュではカウンセラーが個別相談に応じ、企業の求人や保育所など子どもの預け先の情報をまとめて提供。オンラインや電話での相談もできる。家事や料理を時短できる工夫を紹介したり、子育て中のイライラの解消につなげる「アンガーマネジメント」などに関するセミナーも定期開催している。
こうした取り組みが好評なほか、母親向けイベントでブースを構えたり、インスタグラムで家事に役立つ情報を発信したりするなどPRに力を入れ、相談件数を伸ばしてきた。子育て中の隙間時間でも働きやすい在宅ワークの需要の高まりを受け、新たに動画編集やウェブライターなどのスキル講座を開いたところ、さらなる増加につながった。
市雇用労働課によると、相談者からは「仕事と子どもの預け先の相談がまとめてでき、働き始めることができた」「仕事と育児を両立していく不安が解消された」とした好意的な声が寄せられているという。同課は「就労や育児についてネットで調べ、いろいろな情報を目にすると悩んでしまうこともある。まずはここシェルジュに相談してほしい」と呼びかけている。
総務省の17年の就業構造基本調査によると、札幌市の女性の就業率は47.5%で全国平均を3.2ポイント下回った。市は、出産や育児を理由に退職した女性の職場復帰の後押しなど子育てと仕事の両立支援に向け、札幌エルプラザ内にここシェルジュを設立した。問い合わせは火曜―土曜の午前9時~午後5時にここシェルジュ、電話011・792・6700へ。(五十地隆造)
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