「保育園留学」で発達支援 小樽市が全国初の試み 子育て家族の移住期待

きっずてらすで子どもが器具を使って運動するスペース
小樽市は10日から、発達が気になる子どもとその親を対象にしたワーケーションプログラム「保育園留学」を始める。市によると、保育園留学の取り組みは道内5例目だが、発達支援を行うのは全国で初。家族ごと小樽で短期滞在し、子どもは支援プログラムに参加してもらう。市は関係人口の増加に期待を寄せる。
現時点で申し込みゼロ
市によると、保育園留学は地方創生事業を行う「キッチハイク」(東京)の特許事業。
発達が気になる1~5歳の子どもがいる市外の家庭に、1週間か2週間、市があらかじめ用意した市内の一棟貸し宿泊施設に住んでもらう。子どもは北海道済生会(小樽)が大型商業施設「ウイングベイ小樽」(築港)に設けている「きっずてらす」の活動プログラムに参加。両親はテレワークしてもらう想定。基本料金は両親と子ども1人の計3人で1週間の場合約19万円、2週間で約28万円。
「きっずてらす」への子どもの送迎は施設職員が担う。施設では体操や器具を使った運動、絵を描いたり切り貼りしたりする制作などに取り組む。
市は本年度予算にキッチハイクへの業務委託費として550万円を計上。9月10日~来年3月16日まで実施し、延べ7家族の利用を想定する。ただ、本年度の利用申し込みは7日時点でゼロで、市は周知不足などを理由に挙げている。新型コロナの5類移行に伴う経済活動の正常化でオフィス回帰が進んでおり、利用が進むか未知数といえそうだ。市は来年度、利用家族を増やすため宿泊施設を増設する考え。
市企画政策室の松尾貴光主幹は「発達が気になる子どもへの支援のニーズは高まっている。保育園留学をきっかけに小樽で子育てをしたいと思う人たちを増やしたい」と話す。(久慈陽太郎)
この記事に関連するタグ
What’s New
- ニュース
- ALL
Editor's pick up
Ranking
- すべて
- ニュース