厚沢部町教委、全小中学校の統合検討 28年度にも義務教育学校に 町民の意見聞き合意形成へ

2025年度に厚沢部小への統合が検討されている鶉小
【厚沢部】町教育委員会 (町教委)は、2028年度にも町内の三つの小学校と一つの中学校を統合し、小中一貫の義務教育学校「仮称・厚沢部学園」にする方向で検討に入った。25年度に厚沢部小に鶉小を統合。その後、館小、厚沢部中も合わせて義務教育学校に移行する計画だ。実現すれば、町内の学校は1校になる。今月1日に町内全約1800戸を対象に統合に関するアンケート用紙を配布しており、町民の意見を聞きながら合意形成を目指す考えだ。
8月21~25日に町内3カ所で行った町民向け説明会で報告した。
町教委によると、4校の現在の児童生徒数は厚沢部小101人、鶉小15人、館小33人、厚沢部中75人。このうち三つの小学校については、29年度で厚沢部小71人、鶉小8人、館小13人になると推計している。
町の学校適正配置計画は「3学級以上を維持できない学校は統合の必要性について検討する」と規定。鶉小は24年度、館小は29年度にそれぞれ2学級となる見込みで、4校とも校舎が築40年以上と老朽化が進み、建て替えや大規模改修が迫られている。このため、小中一貫の義務教育学校1校を新設することで経費が大幅に抑えられると判断した。
義務教育学校は、小中9年間を通した教育課程で学ぶ。小学校でも教科ごとの教諭が授業を行い、中学進学時の環境の変化に悩む「中1ギャップ」が起きにくいとされる。また、1校になって児童生徒数が増えることで、授業や学校行事で人数が少ないことによる制約を受けにくい利点もあるという。
全戸配布したアンケートでは、4校を統合して義務教育学校にすることの是非のほか、現在の教育環境への不安などを調べる。鈴木聡教育長は「厚沢部の子どもたちが生き生きと学べる環境をつくるため、保護者や地域住民の意見にしっかりと耳を傾けていきたい」としている。(宮崎将吾)
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