妊婦の花嫁、無理なく美しく 専用ウエディングドレスで特許取得 美深出身のデザイナー昆野さん

妊婦専用ウエディングドレスの型紙で特許を取得した昆野美津子さん
上川管内美深町出身の服飾デザイナー昆野美津子さん(62)=東京在住=が、妊娠中の女性でも体に負担をかけず、美しく着こなせる妊婦専用のウエディングドレスの制作に取り組んでいる。妊婦300人を含む女性千人のデータを基に独自のパターン(型紙)を開発し、3月には特許も取得。腹部が大きくなっても、ウエストラインがきれいに見えるのが特徴で、コロナ禍で結婚式を延期し、妊娠中に式を開くことになった人たちにも喜ばれている。
昆野さんは美深高卒業後、札幌の服飾専門学校を経て上京。2016年ごろから妊婦専用のウエディングドレスの開発を始めた。
厚労省の21年の調査によると、約5人に1人が結婚前に妊娠しており、妊娠中に結婚式を開く人は珍しくないが、大きなサイズのドレスを無理に調整したり、好みのデザインが選べないなどの不満が多かった。
こうした声を踏まえ、昆野さんは妊娠中の女性の体形の変化を研究し、独自の型紙を開発。一般的なドレスよりウエストの位置を高くし、腹部を締め付けないよう数ミリ単位で調整した。妊娠9カ月ごろ、腹囲120センチ程度まで着用可能で、利用者には「見た目では妊娠中と分からないほどだった」と好評だという。
18年には妊婦専門のウエディングドレスを扱う会社「ラナチュール」(東京)を設立。同じ型紙をベースにデザインの異なるドレス約160着を制作し、札幌や旭川などの提携企業でもレンタルしている。オーダーメードもできる。
昆野さんは「妊婦さんにも体に優しく、おしゃれで好きなドレスを着てほしい」と話している。
問い合わせはラナチュール、電話03・3465・5477へ。(松下文音)
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