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和式トイレ、今も札幌の小中学で4割残る がまんする子の健康懸念

和式トイレが並ぶ札幌市立厚別南中の男子便所の個室。奥の2室が洋式

トイレの洋式化が家庭などで当たり前となる中、札幌市立の小中学校では「和式」が全体の4割残り、洋式化が進んでいない。自宅の「洋式」で育った子どもは就学後、和式を使えず、トイレを我慢することによる健康への不安も出ている。札幌市教育委員会は改善が進まない理由に財源不足を明かすが、コロナ禍の第9波も懸念され、専門家は感染予防策としての効果も含めて早期の転換を訴える。

使えない子も 専門家「洋式化が急務」

「生徒が和式を使うのに慣れず、使っているのを見たことがない」。厚別区の厚別南中の渡辺義顕教頭によると、洋式が空くのを待つ子どもも見かける。同校の和式は、男子便所で5割、女子では4割と洋式化が進まない。トイレの我慢で生じる体調不良を心配する渡辺教頭は「健康のために充実したトイレ環境を整備してほしい」と強調する。

市教委によると、2022年度末時点で、市立小中学校全297校にある全大便器1万1619基のうち、和式は4570基で39.3%と依然多い。文部科学省が公表している20年9月時点の割合と比べると、札幌市は1.5ポイント減っているが、洋式化の動きは鈍い。市内の洋式の割合は22年度末で60.7%で、全道の割合は63.5%(20年9月時点)となっている。

市教委は洋式化の目安として女子で20人、男子で50人に1基以上を目指す。17年度に市内の2割に当たる約60校が未達成で、22年度には全校が目安を達成したが、洋式化は依然、滞っているのが現状だ。

理由について市教委学校施設課は「限られた予算で、老朽化した校舎の整備などを優先せざるを得ないため」と打ち明ける。学校現場からは対策を求める声があり、市教委は給排水工事などに合わせて転換してきたが、近年は校舎の新築や改修時にしかできていない。

コロナ対策としても期待される。大手トイレメーカーのTOTO(北九州市)が過去に道外の小学校で行った調査によると、洋式周辺ではほぼなかった大腸菌が、和式周辺では大量に検出された。便器が浅い和式は、排せつ物が跳ね返りやすいとみられる。

学校のトイレ事情に詳しい札幌市立大の松浦和代教授(小児看護学)は「ふたのある洋式トイレは飛沫(ひまつ)防止に効果があり、新型コロナなどの感染症予防につながる」とし、「和式の使い方が分からない子どもがおり、洋式化は急務」と指摘する。(麻植文佳)

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