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真偽不明のヒグマ出没情報、子どもどう守る 学校現場で分かれる対応

ヒグマの出没が相次いだ南区真駒内地区近くの小学校の登校の様子=6月下旬

市街地でヒグマの出没が相次ぐ中、札幌市内の学校現場で、集団登下校などを行う判断に頭を悩ませるケースが出ている。児童生徒の通学区内で明確な目撃やふんなどの痕跡があった場合はすぐ対応することが多いが、情報がはっきりしなかったり、場所が通学区外だったりする際は特別な対応をしないこともある。判断が各校に委ねられているためだが、クマは広範囲を移動することもあり、専門家は各校が適切に対応するよう求めている。

厳格な基準なく、地域差も

札幌市南区真駒内地区で6月下旬、クマの目撃情報が相次いだ。この際、同地区の少なくとも4小中学校では教職員が通学路を見回り、子どもたちにまとまって登下校するよう呼びかけた。一方、目撃場所はほど近いが児童の通学区外だった同区のある小学校は特段の対応を取らなかった。

判断が分かれたのは、ヒグマ対応の具体的な内容は各校に委ねられているためだ。市教委は2021年6月の東区の住宅街でのヒグマ出没を受けて22年度、市立幼稚園や小中学校向けのマニュアルを作った。

それによると、クマ出没の通報があった際は、市環境共生担当課が市内全域の学校に目撃や痕跡の情報、場所、時間、被害状況をメールで伝達。ふんや個体の目撃の場合は特別な対応が必要とされるため、各校で登下校時間の変更や近隣の小中学校と連携して対応するとした。一方、「クマらしき動物」など真偽不明で緊急対応が必要ないと判断した時は、登下校見守りや保護者への通知メールで安全確保を図るとしている。

ただこれらは、出没時の対応の大まかな流れを示したもので、実際の判断は各校が決めるという。同区内のある小学校の教頭は「厳格な基準はなく、子どもの安全をどう守るかは、その都度考えていくしかないんです」と漏らした。

地域による差もある。南区や西区など以前から出没情報が多い地域に比べ、これまでほとんど出没がなかった区の学校では目撃情報自体に慣れておらず、対応に悩むのも現状だ。

ただ、最近はどこに出没しても不思議がないほど各地で目撃情報がある。北大大学院獣医学研究院の坪田敏男教授は、雄グマの移動距離は数百キロに及ぶ場合もあると指摘し「出没情報の場所から多少離れている学校もひとごとと思わず、パトロールなどできる対応を考えてほしい」と呼びかけている。(麻植文佳)

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