AED模したおもちゃ製作中 北見・坂野電機工業所 遊びを通じて「身近に感じて」 年内にも完成

産業機械の販売や修理などを手がける坂野電機工業所(北見市)が、自動体外式除細動器(AED)を模した玩具「おもちゃAED」の製作を進めている。幼少期の「お医者さんごっこ」の玩具として遊んでもらい、AEDの存在を身近に感じてもらう狙いで、今年中の完成を目指している。
AEDは、一部の心停止の際に心臓に電気ショックを与え正常な拍動に戻す医療機器。2004年7月から医療従事者以外の市民による使用が解禁され、公共施設や民間事業所などでの設置が進んでいる。
試作中のAEDおもちゃは縦10センチ、横9センチ、高さ3センチほど。電源ボタンや電気ショックを与えるボタンがあり、傷病者の体の表面に貼り付ける電極パッドもついている。対象は3~6歳の幼児で、販売価格は1500円未満を目指す。

AEDおもちゃの試作第1号で遊ぶ子ども(坂野電機工業所提供)
大手玩具メーカーのバンダイ(東京)が2年半ほど前、AEDメーカーの協力を得て、カプセルトイ用の精緻なミニチュアAEDを製作・販売したことはあったが、坂野電機工業所は「子ども向けに特化したAEDの玩具は全国的にも初めてだろう」と話す。
臨床工学技士の資格を持つ同社の坂野恭介さん(35)が「子どもでも興味を持てるよう、遊びながらAEDを知ってもらう玩具を作りたい」と発案。2月に試作第1号ができあがり、自身のツイッターに投稿すると話題に。現在の試作第2号はデザイン面などを改良した。日本AED財団(東京)の担当者は「子どもが関心を寄せると、その親も自然とAEDの存在が設置場所と共に頭に残りやすい」と話し、財団としてAEDおもちゃの活用について応援していきたいという。
坂野電機工業所は今年中の発売に向けてデザイナーらと調整を進めており、ボタンを押すと光ったり音声が流れたりする仕掛けも検討中。インターネットのクラウドファンディングなどでの販売から始め、軌道に乗れば量産したい考えだ。坂野さんは「『怖い』『触りたくない』の印象が先行しがちなAEDに幼少期から親しんでもらい、将来の救命活動につながれば」と話す。
AEDおもちゃに関する問い合わせは坂野さん、電話050・5235・6863へ。(山田健裕)
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