新冠のレ・コード館に放課後学習施設 商工会が開設「第3の居場所に」

6月9日に開かれたものづくり教室で、講師の芸人の解説を聞きながら「レゴブロック」で動物を作る児童
【新冠】町商工会は6月9日、町レ・コード館内に小中学生向けの放課後学習施設「商工会ジュニアラボ」を開設した。家庭と学校に続く第3の居場所として子どもたちが利用し、地域の魅力を発見したり、自主性や社会性を育んだりする場所にしてもらいたい考え。金融機関の口座に10年以上放置された「休眠預金」を活用して開設した。
ラボは町観光協会の元事務所の約90平方メートルに開設。二つのスペースに分かれ、学習スペースには9人分の机やノートパソコン6台、タブレット端末5台、電子黒板を備える。リラックススペースは大小8個のクッションに座りながら読書や調べ物ができる。
町商工会は、子どもたちが《1》放課後に集まれる《2》楽しく学びながら自分の将来像を考える《3》町内外の企業の社員と交流して仕事について知る―場所として利用してもらう考えだ。
総事業費は2300万円。うち2千万円は、休眠預金を財源にした認定NPO法人北海道NPOファンド(札幌)からの助成金を充て、残りは町商工会が負担する。休眠預金の活用は2019年の法改正以降、全国的に行われている。休眠預金を管理する一般財団法人日本民間公益活動連携機構(東京)によると「商工会が主体の活用例は全国的にも珍しい」という。
また町商工会は今年4月、吉本興業など3社が設立しインターネットを使った教育サービスを提供する「ラフ&ピースマザー」と業務委託契約も結んだ。ラボでは同社のサービスの一つとして、お笑い芸人らが講師をする理科や社会の知育動画を自由に視聴できる。
6月9日にはラボで、玩具「レゴブロック」を使ったお笑い芸人によるオンラインものづくり教室が開かれた。ラボには8人、自宅からは9人の児童が参加。芸人の「まっこん」さん(40)の解説を聞きながら、架空の動物を作って創造力を養った。新冠小1年の所司蒼大(そうた)さんは「先生の話が面白かった」と話した。
今後も毎月、プログラミング教室や社会科見学といったイベントを開く予定。商工会の人脈を生かし、地元企業の仕事を紹介する企画も検討している。町商工会の稲辺啄斗さん(31)は「10~20年先を見越し、地元で起業、就業したいという子どもが増えるような取り組みをしたい」という。
ラボの利用は当面、町内に住む小学4年~中学3年生が対象で、無料の登録が必要。開館は平日午後3~6時で町商工会の職員が常駐する。問い合わせは商工会、電話0146・47・2421へ。 (石井純太)
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