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冬の室内、暖房器具によるやけどに注意! もしもの時のために覚えておきたい、応急手当てと相談先

写真はイメージ(はーる / PIXTA)

消費者庁には毎冬、暖房器具や加湿器によるやけどの報告が寄せられます。幼い子どもは好奇心旺盛で、蒸気が出たり、火が明るくともったりする機器に興味を持ち、つい手を伸ばしがちです。手軽に扱える機器が増えた一方、危険がゼロではないことを日ごろから意識する必要があります。冬の室内事故の対策をまとめました。

被害が多いのは1歳前後、暖房触らせない工夫を

「生後1カ月の子どもを膝に乗せ、ヒーターから50cmまで近づいて座っていたら、熱風で子どもの足に水ぶくれができました」「10カ月の子どもがストーブの柵につかまり立ちをした拍子にストーブの上のやかんが倒れて熱湯がかかりました」―。

子どもは大人に比べて皮膚が薄いため、やけどを負いやすく、重症化の危険も増します。同庁によると、暖房器具によるやけどは、ストーブやヒーターによるものが大半です。熱湯の蒸気を利用する加熱式の加湿器で吹き出し口に手をかざしたり、湯たんぽの栓の閉め方が緩いためこぼれたお湯に触れたりして、やけどする事例があります。こたつなど寒い季節だけ使う機器を置くと足の踏み場が狭くなるので、つまずいてけがをしないよう工夫も求められます。

被害が多い年齢は、つかまり立ちや伝い歩きをする1歳前後といいます。自由に歩けない場合、熱さを自ら避けられないので、いっそうの注意が必要です。「まだ寝返りができないから」と目を離していたら、子どもがあおむけに寝た状態ではってヒーターに近づき、人感センサーに反応してスイッチが入ったためやけどを負ったとの報告もあります。

※消費者庁への取材を基に作成

※消費者庁への取材を基に作成

※消費者庁への取材を基に作成帰省先の祖父母宅など自宅以外でも、事故防止の目配りは欠かせません。煙突のあるストーブといった見慣れない機器に興味を持つ場合もあるといいます。

幼い子どもの事故を防ぐには、大人による気配りが欠かせません。①触っても高温にならない機器を使う ②暖房器具などは、子どもの手の届かないところに設置したり、囲いをする ③「低温やけど」を防ぐため、湯たんぽは就寝前に布団から出す―ことなどが重要です。

「もしも」に備え、学んでおきたい応急手当て

さらに消費者庁消費者安全課の担当者は、「言葉がわかる子どもには、暖房器具に触らず、消火後も余熱に注意することを丁寧に教えてあげて」と強調します。

※消費者庁、道地域医療課への取材を基に作成

※消費者庁、道地域医療課への取材を基に作成

親などが動揺して対応を遅らせないためにも、普段から応急手当てを学んでおきましょう。やけどを負ったら、すぐに流水や容器にためた水で10分以上冷やすことが鉄則です。刺激を与えないよう患部には直接当てないようにしましょう。服の上から熱湯がかかった場合は、脱がさずに服のまま水をかけて冷やします。低温やけどは、見た目より重傷となる場合があり、「子どもが痛がる状況が続けば受診を」(同課)と呼び掛けています。

車内も危険「一酸化炭素中毒」
東京のNPO法人、事故防止呼び掛け

冬は家の中だけでなく、マイカー内の事故にも注意が必要です。子どもが車内に閉じ込められると、一酸化炭素中毒などの危険があります。子どもの安全のため事故の予防に関する情報を発信するNPO法人「Safe Kids Japan」(東京)理事長を務める横浜市の小児科医山中龍宏さん(75)は「車の閉じ込めで心配なのは暑い季節の熱中症だけではありません。知識をしっかり身につけて重傷事故を防いでほしい」と呼び掛けます。

山中龍宏さん

山中龍宏さん

山中さんによると、過去には大雪に見舞われた札幌市内で、大人がエンジンをかけた車内に子どもを乗せ、車外で雪かきをしている間に、子どもが一酸化炭素中毒になる事故が一日に何件も相次いだことがあるといいます。車のマフラーが雪に埋もれたことが原因とみられます。一酸化炭素は無色・無臭のため発生に気づきにくいですが、中毒になると、頭痛やめまいなどが起き、最悪の場合は死に至ります。

予防には ①雪かきの間、車内に子どもを放置しない ②(やむを得ず乗せる場合は)マフラー周りの雪を取り除いてからエンジンをかける ③一酸化炭素中毒の知識を持つ―ことが大事です。

このほか、厚手の防寒着を着せたまま、チャイルドシートに座らせると「衝突時に子どもが投げ出される可能性があります」と指摘します。厚手の服の上からでは、チャイルドシートのベルトとの間に余分な隙間ができ、装着が緩くなりがちだといいます。山中さんは「防寒着を脱がせてからチャイルドシートに座らせ、寒いなら上から毛布などを掛けて」とアドバイスしています。

取材・文/田口谷優子(北海道新聞記者)

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