駄菓子「当たり」券 交換は買った店で 函館の店主ら訴え 他店持ち込みでは損失に

当たり券は当たった場所で交換してほしいと店頭でも呼びかける「ささき商店」
駄菓子の「当たり」券は買った店で交換して―。函館市内の駄菓子店が、店頭やSNSでこう訴えている。別の店で当たり券を駄菓子と交換すると、その店の損失になってしまうからだ。店主は「駄菓子店は昔からある地域交流の場。古き良き文化を残すためにも『ルール』を守ってほしい」と呼びかけている。
「よそで買ったやつ(当たり券)を出したら冷たい対応をします」。駄菓子販売の「ささき商店」(函館市松風町)はSNSに度々こう投稿している。同商店の佐々木絢人代表は「それでもまったく減りませんよ」と表情を曇らす。
店は当たり券付きの駄菓子を、当たり券と交換する物も含めて仕入れている。別の店で交換されれば、その店が自腹を切ることになる。商品にオリジナルの印をつければ判別できるが、手間がかかるため難しいという。
以前は損失がそれほど大きくなく、駄菓子店側が「ルール」を周知してこなかったという実態もある。ただ最近はインターネット通販で駄菓子を箱ごと買う人が増え、その当たり券を持ち込むケースが相次ぎ、損失が大きくなったという。
ささき商店によると、当たり券を別の店で交換をする人の9割は大人。袋いっぱいに当たり券を持ち込む人や、親が子どもに「交換してきて」と指示して来店させた例もあった。原材料価格の高騰で経営に苦しむ駄菓子店もある中、卸売りも手がける同商店には市内の別の店からも「ルール違反」の相談が寄せられ、SNS投稿を始めた。
メーカーにも注意喚起の動きが出てきた。当たり券付きの「ヤッター!めん」などを製造するジャック製菓(大阪府)の中野優専務は「当たり券を別の店で交換するのは、小売店の経営に関わる行為だ」と話し、SNSでの呼びかけを検討中だ。アイスキャンディー「ガリガリ君」を製造する赤城乳業(埼玉県)の広報担当も「買った店で交換を」と呼びかけている。
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