銀行空き店舗に子育て支援施設　北広島市と北洋銀行、2023年夏開設

北洋銀行の旧西の里支店で開設される子育て支援施設のイメージ（同行提供）

北広島市と北洋銀行は24日、同行の空き店舗を活用した子育て支援施設を来夏に開設すると発表した。同行が店舗を市に貸し、北広島市が学習支援などで使う。地域貢献事業で銀行施設を賃貸できるようにした金融庁の指針改正を受けた取り組みで、子育て施設向け賃貸は全国でも例がないという。

活用するのは旧西の里支店（北広島市西の里北1）。2020年の店舗統廃合に伴い、ATMのみが設置されている。来年3月に市と同行が賃貸借契約を結び、改修工事に着工、8月中旬の開設を目指す。ATMは引き続き設置する。

施設は未就学児や放課後の児童が遊べる機能に加え、学習支援が必要な子どもや対人関係を築くのが苦手な子ども向けの支援も行う。北広島市と北洋銀行で協力し金融教育活動も実施する。

銀行法は本業以外で経営が悪化することがないよう、銀行の業務範囲を制限しているが、17年9月の指針改正で条件付きで賃貸事業が可能になった。24日に記者会見した安田光春頭取は今後について「公共性の高い事業については積極的に取り組みたい」と説明。上野正三市長は「子育て環境のさらなる改善につながる」と歓迎した。（高橋祐二）