今回のテーマは「こわくないよ」
推薦者　荒木千晴さん（大樹町図書館）

トラの子　怖がりから解放

日が暮れるのも早くなり、心細くなることも増えてきました。それでも「こわくないよ」とメッセージをくれる絵本を荒木さんに教えてもらいました。

「こわがらなくていいんだよ」」（ゴールデン・マクドナルド作、レナード・ワイスガード絵、こみやゆう訳／長崎出版）は怖がりなトラの子どもの話。がたがた震えていると、勇敢なお父さんとお母さんに「みんなが何を怖がっているか、見てみるといい」といわれ、親子で一緒にジャングルを歩き出します。

3頭のトラの姿を見ると、動物はみんな逃げ出しました。「すごいね」とトラの子。ゾウはネズミを見て震え上がり、サルは飛行機を怖がります。強そうに見える動物が、何かに怖がる姿を目の当たりにして、トラの子は少しずつ怖さから解放されていきます。

子どもたちの目の前には、大人には分からない怖さがいくつもあるでしょう。「やってみないと分からない。そこで自信を付けていく」と荒木さんは背中を押します。5歳から。

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「こんとあき」
林明子作／福音館書店

「ねえさんといもうと」
シャーロット・ゾロトウ作、マーサ・アレキサンダー絵、やがわすみこ訳／福音館書店

「ちいちゃんとパンダちゃん　おるすばん　こわくないよ」
まめこ作絵／PHP研究所

（2022年11月22日 北海道新聞帯広・十勝版掲載）