バス最後尾のボタン押すまで警報音 置き去り防止へ北見の幼稚園で試験導入

北見藤幼稚園の通園バスに取り付けられた安全装置
オホーツク管内の5市町で8幼稚園を運営する北見カトリック学園(北見)は、通園バスに園児が取り残されないようにする安全装置を試験的に取り入れている。9月に静岡県の認定こども園で通園バスに女児が置き去りにされ死亡した事件を受け、地元企業に試作を打診。効果が期待でき、将来的に8園の全13台に導入予定だ。国は来春から安全装置の義務化を検討しており、同様の取り組みが管内で広がりそうだ。
地元の会社が試作
取り付けたのは北見藤幼稚園の通園バス1台。装置は15センチ四方で中心に赤いボタンが付いていて、バスの最後尾の座席下に据え付けた。エンジンを停止すると、「ピロピロピロピロ」という警報音が車内に響き、ボタンを押すと警報音が止まる仕組み。産業機械販売業の桑原電装(北見)が試作した。
警報音を止めるために運転手らが最後尾まで行かざるを得ない環境をつくり、バス内の園児を見落とさないようにする狙いだ。北見カトリック学園の木村光裕事務長は「センサー式の安全装置もあるが、機械は誤作動もある。人間の目でチェックできる装置が確実だと思う」と話す。
静岡の事件を受け、同学園は安全装置の導入を検討。桑原電装に相談して協力が得られた。木村事務長は「警報音を高音にするなどより効果的な方法を見つけたい」と話し、試作品の精度を高める考えだ。
国は来年4月から、全国の幼稚園や保育所、認定こども園などのバスに安全装置を義務付ける方針で、違反した園は業務停止命令の対象となる予定。
安全装置の設置には、1台当たり20万円を上限に費用の9割を補助する方向だという。
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