道内初「こどもホスピス」札幌の仮施設オープン 活動支援の日本ハム・宮西選手が訪問

仮施設を見学する宮西尚生投手(右)。左は北海道こどもホスピスプロジェクトの佐藤貴虎代表理事(石川崇子撮影)
道内初の「こどもホスピス」が1日、札幌市中央区の仮施設でオープンする。2015年から開設を目指し活動する一般社団法人北海道こどもホスピスプロジェクト(旭川)が運営。9月30日、活動を支援するプロ野球・北海道日本ハムファイターズを代表して宮西尚生投手が訪れ、本施設実現に向けた本格的な活動の第一歩を祝った。
英国発祥のこどもホスピスは、大人のホスピスとは異なり、がんや難病など命を脅かす病気や重い障害がある在宅療養の子どもと家族が訪れて利用する支援施設。国内には道外の5カ所しかない。
仮施設はJR桑園駅に近いマンションの一室。支援者が無償で提供した。3LDKで、リビングにはおもちゃ、絵本、家電などを備え、寝室やキッチンもある。わが家のような雰囲気を心掛けた。
当初1年間は、協力関係にある北大病院小児科に入院・通院する子どもと家族を対象に、治療の合間や退院後に宿泊や日帰りで過ごせる場として無料で提供し、同法人のスタッフが支援する。今後、対象者やプログラムを増やす方針。
ファイターズの中継ぎと救援の投手陣は18年から活動を支援。ホールドやセーブを挙げるごとに1万円ずつ寄付している。昨年までの4年間で総額588万円を贈った。
宮西投手は「支援が形になってうれしい。小さい時に入院したことがあり、1日でも親と離れるのが怖かった。親子がゆっくり安心して過ごせる場を理想の形にしてほしい」と話した。
佐藤貴虎代表理事(旭川大学短大部教授)は「活動して7年、多くの方々の支援で仮施設にたどり着いた。子どもや家族のニーズを探り、さらに理解と協力の輪を広げ、3年後には札幌で本施設の開設を目指したい」と抱負を語った。
こどもホスピス
1982年に英国で誕生した「ヘレンハウス」が第1号。世界中に広がっている。在宅療養の病気の子どもらの「遊びたい」「学びたい」などの思いをかなえ、その子らしく生きることができ、家族も安らぎが得られる支援施設。多くは寄付で建設し運営されている。日本には大阪や横浜など道外に5カ所がある。
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