キッズが集まるホテル「森のソラニワ」 宿泊客くすぐる仕掛け

プレイルームのボールプールで楽しむ子どもたち(ともに中川明紀撮影)

「子どもの楽園」が伊達市の北湯沢温泉にある。「朝起きてから寝るまで遊べる」がうたい文句。「きたゆざわ 森のソラニワ」にはクライミング壁やボールプール、滑り台などを備えた約千平方メートルのプレイルームと温泉プール、裏山にはフィールドアスレチック(冬季休業)もある。

子どもは飽きっぽい。だから楽しませる工夫を凝らす。ホテル館内に散らばるクイズを解いて回る「森の謎解き」もその一つ。隠し場所はボールプールだったり、大人がくつろぐ休憩室だったり。大人が一緒に巡っても、見つけるのにひと苦労する場所もある。

企画する益子国孝さん(31)たちスタッフはクイズ本を読みあさってヒントをつかむ。小学校低学年でも解けるけれど、簡単には答えがでない問いをつくるのがミソ。雰囲気づくりのためクイズシートは茶色のクラフト紙を使う。専用インクをブルーライトで浮かび上がらせるひと手間も子どもをわくわくさせる。益子さんは「子どもが楽しめても、親が退屈してはホテルマンとして失格」とも語り、家族みんなが喜ぶ「味付け」に頭を悩ませる。

森の謎解きのクイズを置くスタッフ。周囲に溶け込み、簡単には見つけられない場所であることがミソだ

森の謎解きのクイズを置くスタッフ。周囲に溶け込み、簡単には見つけられない場所であることがミソだ

ホテルでは月1回、子どもらに対する接客や言葉遣いを学ぶ研修会が開かれる。「子どもは正直。つまらないと思ったら、すぐにいなくなってしまう」と益子さんは言う。子どもの表情をじっと観察しながら、抑揚のある、テーマパークのキャラクターのような親しみやすい声音で笑みを引き出す。努力を惜しまない姿勢が多くの家族を楽園に引きつける。(山中悠介)

メモ

伊達市大滝区北湯沢温泉町300の7((電)0570・026574)。噴火湾に注ぐ長流川と山に囲まれたホテル「第二名水亭」をファミリー、若者向けに一新し、2017年にプレオープンした。市中心部から車で30分ほどで、クライミング壁を備えた客室もある。

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