• 2018/10/06

    8 <値段の内訳>高くても安くても手間や費用は同じ

     9月の台風と、地震による被害にお見舞い申し上げます。栗山町の農村部は上旬に発生した台風の影響が強く、井澤農園はハウス3棟などに被害が出ました。強風にも揺れにも負けず眠りっぱなしだった生後6カ月の娘は、停電中も屈託ない笑顔で、4世代家族を癒やしました。

     さて最近、直売所のお客さまが「去年よりカボチャが高いね」。そう、低温や長雨のため、全道的に不作傾向なのです。

     ご存じのように、野菜は市場に出すと仲買人などがその日の品質や消費者の需給を考え、セリなどで値段を決めます。しかし、どんな値がついても生産者の手間は変わりません。人件費や肥料代、農薬代、ハウスなどの施設に関する費用も同じです。

     農家の手取りでみると、例えばズッキーニは走りの時期が1本100円ほどですが、旬には30円を切り、出荷すれば人件費とガソリン代でその日の収入がなくなることも。廃棄という辛い決断をすることもあります。

     一方、価格の変動にかかわらず全国的に需要が伸びているのがトマト。食の欧米化、食べやすさなどの理由から、生産者も増えています。しかし消費する日本の人口は減っているので、いつかバブルは弾けるでしょう。

     農家の思いだけではなく、日本の将来も映す野菜の値段。高いと感じた時には「苦労しても思うように収穫できないんだな」と、大事に食べてくださいね。

    <カボチャ>

     「はやと」「味平」=写真左上、右上=などの日本種はあっさり。「プッチーニ」=左下=のような西洋種はホクホクで「甘龍」=右下=なら薄切り、輪切りもできます。スープや素揚げの酢じょうゆ漬けは、甘みを抑えおかずらしい一品。

    (写真提供:井澤 綾華さん)

     PROFILE

    井澤 綾華(いざわ・あやか)
    どさんこ管理栄養士。栄養教諭第一種も取得済み。 北海道夕張郡栗山町にて地域おこし協力隊として活動しながら、農家の一員として食について発信中。

    【Blog】 https://ameblo.jp/kngwyk-aaaaaaa/
    【Facebook】 https://www.facebook.com/izawa.aaa

     BACK NUMBER

    <1> 「農家好きの理由」夢かない家族の一員に
    <2> 「下ごしらえは愛」洋風でも おふくろの味でも
    <3> 「農家の家庭菜園」 4世代の胃袋支える
    <4> 「料理は掛け算」食感や味付け 組み合わせ無限大
    <5> 「赤ちゃん対策」機嫌いいとき 皮を「むきだめ」
    <6> 「おいしい適温」五感に+ 満足度を左右
    <7> 「ジャガイモの花」畑に咲く 目のごちそう


    <井澤綾華のうちのごはんができるまで>
    「子育て世代の新聞 週刊じぶん」で連載中!(毎月第1土曜日)

    北海道新聞の20~40代向けページ「週刊じぶん」(土曜朝刊に掲載)は、親としてだけではなく、夫や妻、働き手など、さまざまな立場の皆さんに読んでいただきたいページです。一人の「自分」にかえって、誰かに共感したり、自分ゴトとして考えたり。暮らしのスピードが少し緩まる週末に、そんな時間をつくるお手伝いをしています。


    【テーマは週替わり】 家族、社会、仕事、情報などの話題を週替わりで取り上げています。毎回掲載される2つの連載の筆者のほとんどは道内に住む子育て世代。いろいろな「じぶん」が、日々の楽しみややりがいを発信しています。