• 2020/06/06

    #9|動く家具 収納や折りたたみ自在 <ステキな家をつくろう>

     子育て世代は、子どもの成長、巣立ち、単身赴任、親との同居など、ともに住む家族の人数や生活のありようが常に流動的です。急な変化に対応するための家具は「とりあえず」ばかりになりがちで、いつの間にか統一感を失ってしまうことも。

     私たちは今まで、マーケット出店者や小商いの方から依頼を受け、小さく収納できたり、さまざまな使い方ができる家具を設計製作したりしてきました。それらを自宅でも活用しています。

     食卓は縦100cm、横160cmの天板に、折りたたみ式の足を組み合わせた「ポップアップテーブル」。家の外にも運び出せるし、数台集めれば大きな「場」を作ることも可能です。

     ホームセンターで手に入る「ソーホースブラケット」という金具と角材で脚を作り、上に合板を載せれば、簡単に同じような可動テーブルができます。

     大きさの違う棚を6個セットにした家具「nest(入れ子の意味)」は、積み重ねると小さく収納でき、組み合わせれば棚やちゃぶ台として使えます。素材は木のリンゴ箱。ペンやチョークで品種名を書いたあとがあり、子どものお絵描きデスクとしても活躍中ですが、いたずら描きをしても気になりません。むしろ「一点もの」として愛着が深まると思っています。

     こうした家具をさっと片付ければ、14畳+4畳半の決して広くはないわが家の2階は、がらんとした空間になります。ヨガ講師の友人にお願いして月1回、仲間とヨガを楽しんでいます。動く家具は、人を集める力を持っています。


    <写真説明>
    ダイニングテーブルを畳んで、「nest」を4畳半のスペースに寄せれば、リビングが3、4人でヨガができるスペースになります

    写真提供/三木万裕子さん

     PROFILE

    三木万裕子(みき・まゆこ)
    1級建築士。東京都内の建築設計事務所勤務を経て2013年に独立。「三木佐藤アーキ」を主宰し、建物のほか家具のデザインや製作も行う。札幌市内の古い農家の住宅を修復し、夫で建築家の佐藤圭さん(38)、長男の千木(せんぼく)君(2)と3人で暮らす。札幌市出身。36歳。

    【公式サイト】https://mikisatoarchi.com/
    【Instagram】www.instagram.com/mikisatoarchi/

     BACK NUMBER

    #1| 夫婦で建てた家 築50年の改修に挑戦
    #2| 暮らしのイメージ 最優先事項 明確に
    #3| 節約とぜいたく 外壁生かし床は道産材
    #4| 幼い子どもと暮らすには 危険に「届かぬ」工夫
    #5| 暖房との付き合い方 木質燃料や薪 試行錯誤
    #6|小さい家がいい 適正サイズで費用抑制
    #7|工夫し自作の家具 空間改善 使いやすく
    #8|流しの大工 利益なしでも大きな経験


    \北海道新聞朝刊「くらし面」で毎月第2土曜日に連載中/

    どんな家を建てたらいいのかー。それぞれの家族に理想とする家があり、悩みは尽きません。札幌在住の建築家、三木万裕子さんが、古民家をリノベーションして〝わが家〟をつくったときに学んだアイデアやノウハウをつづっています。