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  • 感染予防 マスク正しく 鼻から口元、あごまで覆う/内側の面には触らない

    中国湖北省武漢市を中心とした新型コロナウイルスの感染が、拡大している。道内でも感染者が確認され、マスクを装着して歩く人が急増している。この時季はインフルエンザが流行しており、ドラッグストアなどではさまざまなマスクが販売されているが、専門家は「マスクの性能を過信せず、正しく装着することが大切」と指摘する。

    コロナウイルスの主な感染経路は、感染者のせきやくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含んだしぶきを吸い込む「飛沫(ひまつ)感染」と、感染者のせきやくしゃみ、鼻水などが付いたドアノブなどに触れたことによる「接触感染」。マスクの装着は、感染予防に有効とされている。

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    主流は不織布

    マスクにはさまざまなタイプがあるが、コロナウイルスから身を守るには、どのようなマスクが適切なのか。中国で新型肺炎(SARS)が流行した2003年には、医療従事者ら向けの微粒子用マスク「N95」が一般にも広がったが、札幌市保健所の医師古沢弥(わたる)さん(35)は、N95が必要なのは、結核など空気感染の危険性のある患者と接する医療従事者に限られ、コロナウイルスの感染予防には「通常のマスクで大丈夫」と強調する。

    ただ、ガーゼマスクは、繊維の目が粗いためウイルスの粒子が通り抜ける可能性が高い。市販品の主流となっている、複数の繊維や糸を加工した不織布タイプの方が、目が細かくウイルスを遮断しやすいという。

    不織布タイプには、パッケージで「高品質」「高性能」をうたう商品も多い。衛生用品の製造販売事業者でつくる日本衛生材料工業連合会(東京)によると、ウイルスの防御率を意味しているとは限らず、柔らかい、耳が痛くならないなど材質の特徴を意味していることも多い。

    「99%カット」など防御率の高さを強調したパッケージの商品も多い。防御率は同連合会の基準による各社の試験に基づいた表示ではあるが、試験は公的機関の審査を経ているわけではない。パッケージ裏面の説明をよく読み、納得できる商品を選ぼう。

    事前手洗いを

    立体型など多様な形状のマスクも販売されているが、古沢さんは「不織布タイプであれば、多少性能や形が違っても、効果に大きな差はないので過信しないで。大切なのは、装着の仕方」と言い切る。

    【○】マスクを装着する時は上下に伸ばして、鼻をしっかり覆い、口元もあごまで覆う。鼻を出すと効果はない


    ポイントは《1》装着前に必ず手を洗い、顔や口に接触する面を触らない《2》装着する時は、鼻をしっかり覆い、口元もあごまで覆うこと=写真【○】=。マスクから鼻を出していると効果はない。

    【×】携帯電話や食事をする時に、マスクをあごにかけるのはダメ。マスクに顔やあごの汚れが付着する


    食事や電話の時にマスクをあごにかけると、顔などの汚れがマスクに付着するので避けよう=同【×】=。いったん外したマスクをケースに保管する場合は、ケース内を清潔にすること。長時間の保管は避け、通勤や通学で朝に使ったマスクは捨て、帰路では新しいマスクを使用した方が安心だ。

    感染予防には、こまめな手洗いも大切で、泡立てたせっけんで、指の間、指先、爪の間や手首まで洗い残しがないよう洗う。手洗い後にアルコール消毒をするのも効果的。マスクがなくてせきをする時に、口をハンカチや肘の内側でおさえる「せきエチケット」を守ることも大事だ。

    古沢さんは「インフルエンザもまだ流行期。ウイルス感染を防ぐには、自己防衛が肝心」と呼び掛ける。

    業界「まとめ買い避けて」 品薄傾向、道内でも

    新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、マスクを大量にまとめ買いする人が増えており、道内でも入荷が追いつかない店舗が出ている。ドラッグストア大手のツルハ(札幌)でも一部店舗が品薄となり、1月24日から道内全403店舗で個数を制限して販売している。

    大手メーカーのユニ・チャーム(東京)は、マスクの受注が例年の2~3倍に膨らんだ状態が17日から続き、国内の複数の工場を平日は24時間体制で稼働させている。各メーカーは同様に増産を急いでおり、全国のマスク製造・販売事業者115社が加盟する日本衛生材料工業連合会(東京)は「すべてのマスクが欠品になるということはない。冷静に、必要な分だけ買って」と計画的購入を呼び掛けている。(佐竹直子)

    <ことば> コロナウイルス
    人や動物に感染するウイルスの一種。厚生労働省によると、人に感染症を引き起こすものは、これまでに6種類が分かっている。そのうち4種類は、多くの感染者が風邪など軽い症状にとどまるが、高熱を引き起こすこともある。重症化しやすいものには、重症急性呼吸器症候群(SARS)や、中東地域で発生している中東呼吸器症候群(MERS)がある。厚労省は「過剰に心配することなく、インフルエンザ同様の基本的な感染症対策に努めて」と呼び掛けている。