• 2019/12/14

    ③節約とぜいたく 外壁生かし床は道産材<ステキな家をつくろう>

    どんな家を建てたらいいのかー。それぞれの家族に理想とする家があり、悩みは尽きません。札幌在住の建築家、三木万裕子さんが、古民家をリノベーション(改修)して〝わが家〟をつくったときに学んだアイデアやノウハウを毎月第2土曜日にお届けしています。

     
     高校生の頃、オシャレな古着の店で買ったバッグを持っていたら、祖母に「ずた袋みたいなものを持って…」とたしなめられました。

     でも、自分に合う形に変えてみたり、合わせる物との調和を工夫するのが、古いものを生かす醍醐味。札幌市の山の中にある、築50年の農家と納屋をリノベーション(改修)したわが家も同じです。

     家族3人には、延べ面積140平方メートルと大きすぎたので、3分の2以下に減築しました。柱、梁などの構造体、まだ10年くらいは持ちそうな外壁はそのまま使っています。

     その代わり「ここぞ」というポイントには一張羅なみのぜいたくをしました。道産材の活用です。

     薪ストーブを置き、打ち合わせスペースやだんらんの場になる玄関ホールには、江別産れんがを千個敷き詰めました。

     リビングの床には、上川管内中川町産のカエデやクルミなど6種類を使いました。木目の違いが面白く、訪ねてきた人にそれぞれの木を説明するのも楽しみ。道産の木は繊維の密度が高く、手触りが良くて保温性も高いので、利点は大きいのです。新しい部分の外壁にも旭川の土を練り込んだモルタルや道南杉を使い、建築費用の総額は新築の3分の2ほどで済みました。

     ヨーロッパでは昔から、衣類の穴や擦れを美しく修繕する針仕事「ダーニング」があります。使い込まれた衣服が刺繍や編み込みで彩られた姿は、新品の時より輝いているように見えます。わが家もそんな味わいになるといいな。


    <写真説明>
    6種類の木を使ったフローリングは、一見すると違和感はありませんが、目を凝らすと中川町産の森をそのまま持ってきたような多様さがあります。子どもも節や木目の違いを面白がってよく遊んでいます。

    写真提供/三木万裕子さん

     PROFILE

    三木万裕子(みき・まゆこ)
    1級建築士。東京都内の建築設計事務所勤務を経て2013年に独立。「三木佐藤アーキ」を主宰し、建物のほか家具のデザインや製作も行う。札幌市内の古い農家の住宅を修復し、夫で建築家の佐藤圭さん(38)、長男の千木(せんぼく)君(2)と3人で暮らす。札幌市出身。36歳。

    【公式サイト】https://mikisatoarchi.com/
    【Instagram】www.instagram.com/mikisatoarchi/

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    <1> 夫婦で建てた家 築50年の改修に挑戦
    <2> 暮らしのイメージ 最優先事項 明確に


    \北海道新聞朝刊「くらし面」で連載中(毎月第2土曜日)/

    北海道新聞朝刊「くらし」面では、専門家のアドバイスや、地域や民間が取り組む介護、子育て、健康づくりなど、制度を支える道内外の活動を紹介する欄、読者の疑問・質問や、制度への意見・提言を掲載しています。ぜひ紙面もチェックしてみてくださいね!