• 2019/10/12

    ①夫婦で建てた家 築50年の改修に挑戦<ステキな家をつくろう>

    どんな家を建てたらいいのかー。それぞれの家族に理想とする家があり、悩みは尽きません。札幌在住の建築家、三木万裕子さんが、古民家をリノベーションして〝わが家〟をつくったときに学んだアイデアやノウハウを毎月第2土曜日にお届けしていきます。

     
     2013年に、10年暮らした東京から故郷・札幌に移り住み、夫婦で設計事務所を立ち上げました。一緒に働き、休む平和な生活が一変したのは2年前。仕事の急増、初めての出産と育児、住んでいた借家を出なければならないなどの事態が、天変地異のごとく一度に押し寄せました。

     夫婦げんかは、重要な物事を決めるときに起こるもの。家づくりはその最たるケースといえます。自宅兼事務所を構えることに決めてから完成までの1年間、私たちも10年分のけんかをしました。

     建築家にとっての自宅は、プロとしての方向性を表明するマニフェスト。築50年の農家の住宅をリノベーション(改修)すると決め「本物の素材を使おう。地球に優しく暮らそう。実験、実践の場にしよう」と志高く計画を進めました。

     設計にこだわるのはもちろん、工務店任せにせず時には自分たちで工具を振るいました。作業の細かな部分も把握でき、工務店のありがたさを体感しましたが、自らの予算管理の甘さに苦しんだり、長引く工事にイライラしたりもしました。

     引っ越してから1年たったいま、経験は糧となり、苦しんだ記憶は笑い話に。当時は気づかなかった、夫のしてくれた数々の作業にも感謝の思いがわきます。

     家づくりは大人が学び、考え、挑戦する数少ない機会。夫婦で力を合わせて何かを成し遂げることでもありました。住まいの更新は、誰にとっても素晴らしい経験になり得ると思います。

    写真提供/三木万裕子さん

     PROFILE

    三木万裕子(みき・まゆこ)
    1級建築士。東京都内の建築設計事務所勤務を経て2013年に独立。「三木佐藤アーキ」を主宰し、建物のほか家具のデザインや製作も行う。札幌市内の古い農家の住宅を修復し、夫で建築家の佐藤圭さん(38)、長男の千木(せんぼく)君(2)と3人で暮らす。札幌市出身。36歳。

    【公式サイト】https://mikisatoarchi.com/
    【Instagram】www.instagram.com/mikisatoarchi/


    \北海道新聞朝刊「くらし面」で連載中(毎月第2土曜日)/

    北海道新聞朝刊「くらし」面では、専門家のアドバイスや、地域や民間が取り組む介護、子育て、健康づくりなど、制度を支える道内外の活動を紹介する欄、読者の疑問・質問や、制度への意見・提言を掲載しています。ぜひ紙面もチェックしてみてくださいね!