• 2019/09/13

    祖父母の育児協力親と役割分担を 主役はママとパパ/事前の話し合い大切

     時代によって変化する乳幼児の子育て法などを巡って、母親と祖父母との世代間の“対立”は今も絶えないようだ。とはいえ、子育て経験のない夫婦にとって、祖父母の支えが育児の大きな力になるのも確か。専門家は「子育ての主役はママとパパ」「祖父母がどこまで協力できるのか、事前に話し合うことが大切」などとアドバイスしている。

    今風尊重して

     札幌市白石区の主婦(30)は、母親が「寒そうだから」と1歳の長男に厚着させたり、必要以上に布団をかけたりするのに抵抗があった。「ズボンが脱げそうになり、転びそうになったことも。寝ていても布団を蹴飛ばして起きてしまうので、やめてほしかったが諦めた」と言う。

     中央区の主婦(31)は母親に「(長男に)果汁を飲ませなくていいの?」と聞かれたので、「今は必要ないんだよ」と答えたら、「インターネットの情報? 気にしすぎでは」と言われたのを覚えている。

     妊婦とその父母を対象に、今と昔の子育ての違いなどを解説する講座を開いている札幌市北区の助産師、佐藤千鶴さん(43)は「今の子育ては『抱き癖を気にしなくていい』など、祖父母世代と異なる点が少なくない。基本的にはママとパパのやり方や意見を尊重してほしい」と助言する。

    欠かせぬ支援

     一方で、祖父母の育児協力に対する母親の期待は大きい。札幌市厚別区で4歳と1歳の男児を育てる主婦(37)は「仕事への復帰を考えており、子どもの預け先として親の支援は欠かせない」。前述の白石区の主婦も「普段は預けないが、持病があるので体調を崩した時など緊急時は親が頼り」と打ち明ける。

     「沐浴(もくよく)や、長時間の預かり以外は応援します」。男児(2)と女児(4カ月)の孫がいる東区の主婦(57)は、母親である長女(34)にできないことを具体的に伝えた上で、子育てを手伝っている。「不安を抱えたままでは長続きしないから」と理由を語る。

    範囲を決めて


     晩婚や高齢出産が多くなって、高齢化が進む祖父母世代の体力的な負担が大きい側面もある。佐藤さんは無理なく子育て支援するため、独自の「家族のコミュニケーションシート」を通じて子育ての役割分担をあらかじめ決めるよう勧める。

     1枚の紙に《1》「自分たちのしたい子育て」「祖父母にしてほしいこと」《2》「孫と将来やってみたいこと」「パパ・ママ、孫にしてあげたいこと」の4項目を書き、《1》に父母、《2》に祖父母がそれぞれの思いを記入。シートを参考に話し合いながら祖父母に協力してもらう範囲を決める仕組みだ。佐藤さんは「お互いに余計なストレスを感じずに子育てをする手助けになる。子どもの成長に応じて定期的な見直しと、子どもが混乱しないように、しかる時やほめる時のルールなども作った方がいい」と呼びかけている。(編集委員 安宅秀之)