• 2019/01/15

    <どう思う? 意見×異見>「お年玉、成人にもあげる?」読者アンケート結果 あげる/学生の懐事情気遣う あげない/高校卒業を区切りに

     ウェブを使って読者と紙面を結ぶ企画「どう思う? 意見×異見」。昨年12月21日朝刊に掲載した「お年玉は何歳まであげる?」には道内外の65人から回答がありました。成人になってもあげるかどうかという質問には、「あげる」と回答した人が45%を占め、「あげない」や「どちらともいえない」を上回りました=グラフ=。主な意見の内容と、専門家のコメントを紹介します。

     回答期間は昨年12月21日~1月6日。成人年齢は2022年に20歳から18歳へ引き下げられますが、現在の20歳を目安として聞きました。成人しても「あげる」は29人、「あげない」は20人、「どちらともいえない」は16人でした。

     回答者を年代別でみると、40代の26人が最も多く、50代の14人が続きました。渡す側となり、成人年齢に近い子どもや親戚が周囲に多いとみられる年代ほど関心の高さがうかがえます。

     「あげる」派だけをみても、年代が高いほど増える傾向があり、「いくつになっても子どもは子ども」(後志管内の60代男性)との親心がのぞきます。学生の懐事情を気遣ってか、「学生の間はあげる。就職したらあげない」(函館市の50代主婦)とする声が多く、若い世代からも「学生なら(アルバイトをしても)大きな収入がない」(江別市の20代男子学生)との訴えが届きました。

     「あげない」派の大半は、就職やアルバイトで収入を得やすくなる、高校卒業を一つの区切りとしているようです。「お年玉は子どもの特権だから」(札幌市の40代男性自営業)、「成人したら渡す側だと思う」(後志管内京極町の30代女性事務職)という思いも強いようです。「わが家の決めごとだから」(小樽市の70代主婦)との答えも。若い世代からは「親があげ続けては、子のためにならない」(札幌市の男子中学生)と、渡す側が明確な理由を持つよう望む声もありました。

     ただ、「どちらともいえない」派の「成人なんだからと思う半面、顔を見たらあげてしまいそう」(函館市の40代男性会社員)も、本音かもしれません。

     一方、成人になった年まであげる「20歳が最後」という回答が複数ありました。「学生の場合、正月に成人のお祝いとして渡して終了」(苫小牧市の40代女性パート訪問看護師)とするのが、双方にとって区切りが良いという考え方なのでしょう。そのほか、「おいとめいが7人いるため、18歳で就職しても大学生になっても20歳までとすれば公平」(登別市の50代パート主婦)と、渡す相手が親戚に多い場合ならではの配慮もありました。(大野日出明)
     

    お金の使い方話し合って 大野有加さん(帯広・ファイナンシャルプランナー)

    大野有加さん

     
     「あげるのが生きがい」という意見がありました。限られたお金を納得した上で有効に使うという基本からすれば、良い使い方です。付き合いや慣習で「あげなくちゃいけない」と義務に感じるのとは違います。

     家計の見直しでは、無駄な出費を洗い出します。お年玉も、もらう側は何歳になってもうれしいけれど、親のお金は有限だし、いずれ親の面倒を自分がみると考えれば、親子一緒にお金の使い方や残し方を考えるべきです。例えば、クリスマスプレゼントとお年玉の両方をあげる場合、負担になるので、どこまで必要か話し合ってはいかがでしょう。

     金銭教育では、少額のお小遣いやお年玉を子どもに使わせ、無駄遣いなどの失敗から学ばせる訓練もします。成長した若者から「仕送りや給料をすぐに使い果たした」という失敗談を聞くたび、お年玉をもらえるうちから、お金を大切に使う意識を身に付けてほしいと思います。

    「親の保護下」考え根強く 深浦尚子さん(札幌国際大短期大学部教授=発達心理学)

    深浦尚子さん

     
     今回は、大学生かどうかも回答者の判断に影響したようです。発達心理学では、青年期が終わって就職や結婚で親の保護下から離れる頃が、大人になるタイミングと位置付けます。大学生はまだ社会的、経済的に、親に守られているという考えが根強く、「成人してもあげる」派が上回る結果につながったのでしょう。

     とはいえ、これは家族以外の立場からすれば「親に守られているなら、あえてお金を支援しなくてもいい」とだって言える。意見からは、大人が親として、親戚・知人として、どんな明確なルールや信念を持つべきかに悩む様子もうかがえました。

     子どもがお正月文化から学ぶことは多くあります。お年玉についても、普段のお小遣いとどう違うのか、相手はどんな願いを込めてくれたのかなどを親と一緒に考えてほしいです。また家族や親戚が集まる年末年始は、一緒にお年玉のルールを話し合ってみる機会にもなるはずです。

     次回の「どう思う? 意見×異見」は2月中旬に掲載予定です。