古い市営住宅おしゃれに改修 若い子育て世代向け 帯広市が試験事業

若者向けに市職員が改修した市営住宅。玄関の奥にはカラフルな棚を設けた

帯広市は老朽化した市営住宅を若い子育て世代に利用してもらおうと、室内をモダンにリフォームする試験事業を始めた。今回改修したのはエレベーターがない5階建て最上階の1戸。カラフルな棚を設け、壁を明るい色に塗装して若者好みに変えた。予算を抑えるため、市職員が改修の一部を手がけた。

市住宅営繕課によると、市営住宅は現在127棟。入居者の募集倍率は高く、10月現在、平均で約3.7倍となっている。

ただ、立地や築年数によってはばらつきがある。今回改修した柏林台の市営住宅は築36年で、直近では4、5階で8戸の入居者を募集したところ、応募は1世帯だけだった。エレベーターがないため、高齢者らが敬遠したとみられる。このため、同課は上り下りが苦にならない若者向けに部屋を改修することにした。

改修した部屋は床面積68.3平方メートル。3LDKの間取りだったが、1部屋の壁を取り除いて2LDKとし、リビングを広くした。壁は白色に塗り、床は軟らかい素材のフローリングに変更。玄関奥のかつての石炭庫を改修して、赤や緑色のポップな棚を設けた。

壁の撤去など大がかりな改修以外は、同課の職員6人が仕事の合間に作業。費用は本来の半分以下の20万円ほどに抑えられたという。斎藤周平課長補佐は「若い人が住むことで集合住宅に活気が出てほしいという一心で改修した」と話す。

1日から4日まで市のホームページで募集。対象は2人以上の世帯で、家賃は世帯収入に応じて月1万8600~2万7700円。応募がなければ来年1月に再募集する。募集状況や入居者の意見をまとめた上で、今後も改修事業を拡大していくか検討するという。(泉本亮太)

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