豊かな食、自然に魅了 厚沢部移住お試し 横浜の子育て世帯が体験
【厚沢部】町が取り組む移住体験事業「ちょっと暮らし」で、横浜市在住の子育て世帯が、テレワークをしながら町内での暮らしを体験した。町などによると、移住体験の応募の約9割が60代以上だといい、子育て中の若い夫婦の利用は珍しいという。町は「若い人たちにも来てもらうことで、今後の移住促進や関係人口の増加につなげていきたい」としている。
町は、2010年度から同事業を始めた。家具や家電など生活用具一式をそろえた移住体験者用の2LDK、3LDKの住宅4戸を用意。1週間から6カ月の滞在が可能だ。
今回、移住体験した横浜市の山本雅也さん(36)は、妻と2歳の娘の3人家族。7月12~29日に滞在した。「都会にはない豊かな自然を子どもに体験させたい」との思いから、地方での移住体験を決めた。
山本さんは、食のイベントなど企画する「キッチハイク」(東京)の共同代表を務める。1月に厚沢部特産のメークインなどを使った料理をするオンラインイベントを開いたことをきっかけに厚沢部の豊かな食や自然に魅了され、滞在先に選んだという。
平日は、IT企業に勤める妻と共にテレワーク。夫婦が仕事をしている間、娘は一時預かり事業をしている町内赤沼の認定こども園「はぜる」に通った。休みの日には、家族でアスパラガスの収穫や郷土料理教室の体験をするなど、地方ならではの生活を満喫。山本さんは「厚沢部は温かい人ばかり。これからも仕事や観光などで定期的に足を運ぶつもり」と話した。
町によると、これまで移住体験した人は、延べ712人。実際の移住につながったケースは今のところないが、担当者は「体験を通じて、まちのことを知ってもらい、何らかのかかわりを持つ人を地道に増やしていきたい」としている。(宮崎将吾)
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