旭川市が10カ月児健診を開始へ 昨年の乳児遺棄受け判断

【旭川】旭川市は今月、10カ月児健診を始める。既に4カ月、1歳6カ月、3歳6カ月の乳幼児の健診は行っているが、昨年7月に市内で発覚した乳児の死体遺棄事件を受け、同様の事件や児童虐待を防ぐには、きめ細かく乳児の発達状況を確認し、親の育児の悩みにも対応していくべきだと判断した。

10カ月児健診は市内の協力医療機関で行い、市は16日、対象となる乳児がいる世帯に健診票を発送する。

市はこれまで、母子保健法に基づく1歳6カ月児と3歳6カ月児の健診に加え、任意で4カ月児の健診を行ってきた。ただ、乳児死体遺棄事件を受け、道内の人口10万人以上の9市のうち、旭川市だけが10カ月児健診を行っていないことに気付き、新たに導入した。生後10カ月前後は発達の差が出やすく、親が育児で悩みを抱えやすい時期とされることも考慮した。

市子育て支援部の中村寧部長は「健診だけに終わらせず、育児の不安解消に向け、医療機関や地域団体と連携して親子にアプローチしたい」と話している。

旭川市の乳児死体遺棄事件を巡っては、市は19年1月に女児が4カ月児健診を未受診だったため、翌2月に保健師が自宅を訪問し、安否を確認した。だが、その後は20年7月の事件発覚まで母子に関わる機会がなく、市は同様の事件を防ぐには4カ月児健診から1歳6カ月児健診までの空白期間を埋めることが必要だと判断した。旭川小児科医会も事件後、市に10カ月児健診の実施を要望していた。(若林彩)

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