釧路町の助産院「マタニティアイ」 産前産後ケア事業増加「母親の居場所に」

「産前産後の母親にゆったりとした時間を過ごしてほしい」と話す成瀬恵院長

【釧路町】助産院「マタニティアイ」(曙1)の産前産後ケア事業の利用者が増えている。現在は出産業務は一時休止中で、妊婦や育児中の母親のケアに力を入れる。成瀬恵院長(52)は「コロナ禍で落ち着かない状況が続くが、ゆったりとお母さんたちの気持ちに寄り添いたい」と話している。

同事業は母親の休息や心身のケア、母乳・育児相談などに対応する。1988年に開設した同院は、2016年度に釧路・根室管内で初めて同事業に取り組み始めた。個室6床を用意し、子どもの遊び場もある。

産前産後ケア事業のニーズは高く、20年度は過去最多となる延べ556人が利用した。産後ケアは全額自己負担の場合、ショートデイ(午前10時~午後2時で昼食代込み)1万8700円、宿泊型(午前10時~翌日午前9時で3食代込み)3万9600円など。

現在は釧路管内では釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町、弟子屈町、鶴居村、根室管内は中標津町、羅臼町の8町村から同事業の業務委託を受けており、8町村は住民が利用する際に費用を助成している。利用回数や金額など助成内容は自治体によって異なる。

宿泊や日帰りの産後ケアを利用する標茶町の朝日佳菜美さん(31)は「子どもを見てもらっている間にゆっくりご飯を食べたり、休息を取れたりできるのでありがたい。育児の心配事も相談しています」と話す。

同事業の他にエコー・妊婦検診や乳房ケア、妊婦や産後の母親が参加できる講座(緊急事態宣言中は休止)も行い、電話相談は24時間対応。コロナ禍の現在は月100件ほど電話やメール、対面などで相談が寄せられている。成瀬院長は「来てくれた人たちの気持ちが軽くなるような居場所でありたい。まずは連絡を」と呼びかける。開院は月曜~土曜の午前9時~午後5時(緊急時は随時対応)。問い合わせは同院(電)0154・37・2110へ。

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