ケーキ店ゼロの滝上でケーキ教室 磯野さん開講 町産素材で「老若男女楽しんで」

ケーキのクリームの塗り方を教える磯野さん(中央)

ケーキのクリームの塗り方を教える磯野さん(中央)

【滝上】10年以上ケーキ店がないという町内で、今春まで滝上小の教員だった主婦磯野孝子さん(32)が、自宅にケーキ作り教室をオープンさせた。生地の原料には町産品をふんだんに使い、受講者はオリジナルのケーキ作りにも挑戦できる。子育てのために自宅でできる仕事を考えていたところ、子どもたちがケーキに触れる機会が少ないまちの事情に思い至った。磯野さんは「老若男女が楽しめる教室にしたい」と意欲を見せる。

今月に開校した教室名は「nico ケーキレッスン」。25日の教室には2人が参加し、イチゴのケーキを作った。スポンジには町内産の低温殺菌牛乳、鶏卵、「きたほなみ」の小麦粉を使用。参加者は生地のカットの仕方やクリームの塗り方などの基本を教わった。参加した平石あゆみさん(37)は「とても丁寧。子どもでも参加しやすいと思う」と話した。

教室は3種類。月1回の定期教室、母の日やクリスマスなど行事に合わせた企画教室、要望を聞いてオリジナルケーキを作る個別教室で、受講料は千円~4千円。

町商工会によると、この10年、町内にケーキ店やケーキ教室はなかった。磯野さんは「教員時代、コンビニエンスストアや町外のケーキしか食べることができないという児童が多かった。気軽に食べられ、また作れる環境をつくりたかった」と開講の理由を語る。

磯野さんは4月にオンラインでケーキ講師の認定資格を取得。開講した5月初めから3週間余りで家族連れなど11組がすでに受講した。磯野さんは「緊急事態宣言もあり、町外で楽しめない町民も多い。ケーキ作りでリフレッシュしてほしい」と話している。将来的にはケーキ作りと教員の経験を生かして、勉強を教える学童保育も兼ねた複合的な教室にしたい考えだ。受講の予約は教室の公式LINEのQRコードから行える。

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