• コロナ禍 里帰りできず、親も来られず… 母親支える「産後ケア」利用増

    札幌市内の助産院で産後ケアを利用する母子。助産師(右)が育児についての相談に応じていた

    石狩管内6市が支援制度 悩み相談 活用を

    石狩管内で出産後の母親が助産院などで育児相談する「産後ケア」の利用が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大で、離れて暮らす親族の援助を受けにくいことなどが要因とみられる。感染リスクを恐れて利用をためらう母親向けに、送迎サービスを計画する助産院もでている。

    産後ケアは日帰り型、宿泊型などがあり、助産院や母乳育児相談院で、授乳や沐浴(もくよく)の指導、育児の悩み相談などを行うほか、母親に休息してもらう狙いもある。札幌市など管内6市が生後4カ月未満の乳児と母親を対象とした支援制度を設けており、その内容は市によって異なるが、自治体の指定施設を利用すれば自己負担額はおおむね3分の1程度に抑えられる。

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    千歳市は2019年7月に支援制度を創設。同年7~12月の半年間の利用者数は延べ140組だったが、20年の同期間は延べ247組と約1.8倍に増えた。市は「里帰り出産ができず、親の援助も受けられない人が増えた」とみる。

    札幌市では20年4~9月の利用者は延べ218組で、半年間で19年の年間利用者数の6割に達した。昨年11月に出産し、翌月に2泊3日で産後ケアを利用した札幌市内の女性(35)は「関東で暮らす親はコロナ拡大で来られず、道内に知人もいなくて疲労困憊(こんぱい)だった。利用していなかったら産後うつになっていたと思う」。江別市や石狩市でも利用者は増えているという。

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    一方、札幌市清田区の「産後ケアハウス さんさん助産院」は市内や近郊の利用者が多く、昨秋以降に「乳児を連れての地下鉄移動が怖い」と利用を見合わせた母子が数組いたという。同院は月内にも、このような母子向けに試験的な送迎サービスを始める。運用方法は検討中だが、双子など移動の負担が大きい母子を対象に片道送迎を想定。大友洋恵院長(52)は「ニーズをみて、将来的には往復送迎にしたい」と話す。

    出産後の母親の約1割が産後うつになるとのデータがあり、感染拡大で発症リスクはさらに高まっているとされる。北海道助産師会の高室典子代表理事は「『自分は産後ケアの対象にならないのでは』とちゅうちょせず、コロナ禍だからこそ積極的に利用してほしい」と話している。(高木緑)

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