• コロナ 妊婦は重症化傾向 風邪症状 まず産科に電話

    新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、不安を抱える妊婦は少なくありません。妊娠中は特定の感染症にかかると重症化しやすくなったり、赤ちゃんに影響が出ることもあります。妊婦がコロナに感染したらどんな影響が出るのか、現段階でわかっていることなどをまとめました。

    厚生労働省が9月に発行した最新版「診療の手引き第3版」では、妊婦は「重症化のリスク因子かは知見がそろっていないが要注意な基礎疾患等」として分類されています。ただ、北大病院産婦人科の馬詰武医師は「妊娠中に感染すると重症化リスクになりうるというデータは少しずつ出てきている」と注意を呼びかけます。

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    後期に影響大

    日本産婦人科医会が、今年6月までにコロナに感染した妊婦について全国調査を行ったところ、妊娠後期になるほど重症化する傾向がみられました。

    調査は全国の産科約2千カ所を対象に7~8月に実施、約1500カ所(道内46カ所)が回答しました。1~6月に出産した約30万6千人の妊婦のうち、コロナに感染した妊婦は72人。このうち発熱などの症状があった58人のうち ▽肺炎などと診断されたのは、妊娠28週までの初期や中期で10%だったのに対し、29週以降の後期では56% ▽呼吸困難などで酸素投与が必要となった人も、妊娠中期までが8%だったのに対し、後期は39%―と、妊娠後期の方が重くなる傾向がありました。

    生まれた赤ちゃんへの感染の報告はありませんでした。

    家族感染が6割

    結果を踏まえ、日本産婦人科医会は9月、「感染経路の約6割が家庭内感染によるもので、同居者の感染予防も重要。後期の妊婦は特に感染予防に気を配る必要がある」と提言しました。

    また、米疾病対策センター(CDC)が実施した、1~10月に新型コロナに感染した15~44歳までの女性約41万人の調査では、約2万人の妊婦と、約39万人の妊娠していない女性を比較したところ、妊婦の方が集中治療室(ICU)に入るリスクが3倍、人工呼吸器を使うリスクが2.9倍高く、海外の調査でも同様の傾向がみられました。

    周囲も配慮を

    働く妊婦のための制度

    馬詰医師は「妊婦の重症化リスクが高いことが明らかになりつつあり、さらに一部には妊娠中は発熱や筋肉痛といった症状が出現しにくいといった報告も出てきている。妊婦の場合、投薬など治療の手段も限られるため、家族内感染も多いことから妊婦だけでなく周囲の人も感染予防への配慮を」と呼びかけます。

    では、妊婦が発熱やせきなど風邪症状が出た場合はどうするのか。道は「まずは、かかりつけの産科に電話を。感染者と濃厚接触したり、感染疑いのある家族がいたりする場合も、かかりつけの産科に相談してほしい」と話します。

    感染が疑われる時などは、かかりつけの産科に相談し、PCR検査などを受けます。陽性の場合、症状の有無にかかわらず原則入院となります。感染が妊娠末期の時は分娩(ぶんべん)可能な指定の医療機関で出産することになり、一定期間は面会や授乳も制限されるといいます。感染した妊産婦は、希望すれば助産師や保健師などから専門的なケアや訪問・電話による相談支援が受けられます。

    道保健福祉部の人見嘉哲医療参事は「道内では感染しても、適切に対応できる体制が整っています。過度に恐れず、不要な外出は控え、こまめな手洗いといった基本の感染予防対策を続けてほしい」と話します。

    コロナに関する相談窓口
    お近くの保健センターや保健所内の「女性の健康相談窓口」など
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11296.html

    道内の妊娠届減少 出産環境が変化?

    厚生労働省が10月に発表した集計によると、道内の自治体に今年5~7月に提出された「妊娠届」は7045件となり、前年の同時期に比べ10.8%減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大で妊娠を控える動きが広がった可能性があり、来年の出生数は例年以上の減少が予想されます。

    コロナの感染拡大が妊娠を希望する人の行動に、どう影響したか調べるため厚労省が全国調査しました。

    妊娠届は母子保健法に基づき自治体に届け出る必要があります。妊娠後2カ月ほどで届け出るケースが多く、感染拡大した3月ごろに妊娠した人は通常5月ごろに提出します。5月の道内の妊娠届は2318件で、前年同月比17.8%減と減少幅が最大でした。6月は同0.7%減の2404件、7月は同12.6%減の2323件でした。

    厚労省は「外出自粛のため役所に行けなかったことなどが影響している可能性もある」と言いますが、感染拡大の影響で、里帰りが難しくなるなど出産を取り巻く環境が大きく変わったことや、雇用情勢の悪化などで出産を控える人が増えている可能性があります。

    取材・文/根岸寛子(北海道新聞記者)


    新型コロナウイルスの影響が長期化する中、妊娠中の方や、妊娠を希望される方の不安は特に大きいのではないでしょうか。現在困っていること、今後の生活で心配なことは何ですか ?就労されている方はどんな働き方をしていますか?ご自身の体験や意見などをmamatalk編集部(mamatalkdoshin@hokkaido-np.co.jp)までお寄せください。

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