足立産婦人科クリニック、体外受精受付開始 釧根で唯一 札幌通院夫婦の負担軽減

顕微鏡などの器具をそろえ、体外受精の受け付けを始めた足立産婦人科クリニックの(左から)足立副院長と胚培養士の本間さん

顕微鏡などの器具をそろえ、体外受精の受け付けを始めた足立産婦人科クリニックの(左から)足立副院長と胚培養士の本間さん

足立産婦人科クリニック(釧路市中園町)は10月から、体外受精の受け付けを始めた。北海道産婦人科医会釧根地区支部の事務局を務める同クリニックによると、体外受精を実施できる医療機関は釧路・根室管内で唯一。これまで体外受精を行うには札幌などへ通院する必要があったため、不妊に悩む人の負担が大きく軽減される。

体外受精を行うには、顕微鏡と針を使って卵子に精子を注入したり、受精卵を培養して凍結保存したりと、高度な技術を持った「胚培養士」が必要。しかし、全国的に引き合いが強く、釧根の医療機関にはこれまでいなかった。このため、釧根の患者が体外受精を行うには、札幌や帯広などの医療機関へ通わなければならず、年単位で通院する場合もあり、経済的・体力的な負担が大きかった。

札幌医大で不妊治療に携わってきた同クリニックの足立清香副院長(38)が、こうした釧根の状況を改善しようと、クリニックを新築した2018年から準備を進めてきた。ようやく今年7月に胚培養士の本間直人さん(34)=釧路市出身=が着任。顕微鏡や培養器もそろえ、体外受精を受け付けられる体制が整った。

本間さんは北大大学院生命科学院を出て、道内の産婦人科で胚培養士として勤務してきた。「これまでの経験を生かし、全国の不妊治療専門クリニックに負けないレベルの医療を提供することで、地元の釧路に貢献したい」と意気込む。

足立副院長は「すでに複数の患者から通院先を切り替えたいとの相談をもらっている。不妊に悩む人たちの力になりたい」と話す。

問い合わせは同クリニック(電)0154・25・7788へ。(五十地隆造)

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