砂場のハチは絶滅危惧種 江差北小・品川君「ニッポンハナダカ」発見 国立科学博物館に確認、判明

国立科学博物館の井手研究員から届いた手紙を持つ品川叶武君

国立科学博物館の井手研究員から届いた手紙を持つ品川叶武君

【江差】江差北小2年の品川叶武(かなむ)君(7)が、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に分類されている「ニッポンハナダカバチ」を同校グラウンドの砂場で発見した。写真を同封した手紙を国立科学博物館(東京)の専門家に郵送し、確認を得た。品川君は「返事が来てうれしかった。ハチをもっと調べたい」と喜んでいる。

品川君は、ハチは巣を作り、針も持っていて「かっこいい」と興味を持っていた。7月30日に生活科の授業で、グラウンドの隅で育てていた野菜を観察していた際に羽音を聞き、近くの砂場にいたハチ数匹を発見した。

江差北小で見つかったニッポンハナダカバチ

江差北小で見つかったニッポンハナダカバチ

ニッポンハナダカバチは松前町の小島小でも見つかっており、7月23日に北海道新聞が報じた。品川君は見つけたハチが記事に掲載されていたハチと似ていることに気付き、同種かどうかを確かめるため、記事で習性を解説していた同博物館動物研究部の井手竜也研究員宛てに手紙を出して問い合わせた。

今月11日に井手研究員から同校に返信があり、手紙には「ニッポンハナダカバチでまちがいないです。だいじに見まもってください」などと記されていた。品川君は「返事にびっくりした。その後、ハチの動画をたくさん見て勉強した」と興奮する。井手研究員は「手紙での問い合わせは少ない。関心を持ってくれてうれしかった」と話す。

ニッポンハナダカバチは海辺や川辺の砂場に穴を掘って巣を作る。北海道から九州まで分布し、以前は多く見られていたが、開発で生息地が減少しているという。井手研究員は「絶滅危惧に陥っている虫はたくさんいる。自然に目を向けるのは大切なこと。ハチがいる所を守れば、自然環境を守ることになる」と話している。(西出真一朗)

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