• 下痢や肩こり “冷房病”に注意 自律神経に影響、妊婦に早産リスク

    暑さが続くと熱中症対策は注目されるが、エアコンの効いた室内で体調を崩す“冷房病”は見過ごされがちだ。屋外との温度差で自律神経のバランスが崩れ、さまざまな不調を招いてしまう。女性の冷え症は早産など妊娠にも影響する。この時期、冷房で体を冷やさないよう対策を取りたい。

    国の全国消費実態調査(2014年)によると、道内の家庭のエアコン普及率は26%。道内でも猛暑が深刻化していることもあり、オフィスや商店でもエアコンの普及が進む。三菱電機ビルテクノサービス(東京)が17年に夏のオフィス環境に関する意識調査を行ったところ、オフィスが寒いと感じる男女325人のうち76%が冷房による体調不良を経験していた。

    冷房病は病名ではなく、冷房の効いた室内で過ごしたり、室内外の温度差で起きる下痢や足腰の冷え、だるさ、肩こり、食欲不振、不眠などの症状を指す。

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    札幌市東区の栄町ファミリークリニックの総合診療医中川久理子さんによると、暑くなると人の体は血管が拡張して放熱し、寒ければ収縮して体温を逃さないようにする。これらの働きに自律神経が関わっているが、「冷えや急激な温度変化が起きると体が順応できず、自律神経のバランスが崩れ、さまざまな不調を招く」という。

    とりわけ妊婦にとって冷えは大敵だ。日本冷え症看護・助産研究会の代表で、横浜市立大教授の中村幸代さんによると、身体が冷えると免疫力や自己治癒力が低下するため、早産のリスクが高まるという。

    妊婦の冷え症はほかに、陣痛の弱さや全身の倦怠(けんたい)感、子宮の張り、下肢のむくみ、腰痛も起こしやすい。中村さんは「冷えは見逃せない症状ですが、妊娠中は体温が上がって体がぽかぽかするため、冷えに気付きにくい」と指摘する。

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    冷え症を予防する工夫について、中村さんは《1》服装《2》入浴《3》食事《4》ストレス解消―の4点を挙げる。服装は首、手首、足首を衣類で冷やさないようにする。夏でもレッグウオーマーで下肢を温めるといいという。入浴は39度以下のぬるめの湯にゆっくりつかり、体を温める。食事は根野菜や穀類など体を温める食材を意識し、冷房の効いた室内では冷えた飲料を避ける。

    ストレスも冷えに関係する。自律神経は交感神経と副交感神経で構成されているが、緊張やストレスで交感神経が優位になると、四肢の血管を収縮させて脳の血流を増やそうとするため、手足が冷えたように感じるという。中村さんは「過度なストレスがかかる生活を見直し、自分に合った解消法を見つけることも冷え症対策につながる」と話している。

    取材・文/上田貴子(北海道新聞記者)

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