白糠町、無料で産前産後ケア 助産師を正職員に 「心強い」移住者に安心感

自宅を訪問し、産後ケアにあたる助産師の本郷恵さん(左)=小松巧撮影

【白糠】釧路管内白糠町は本年度、助産師1人を町の正職員として採用し、妊産婦や母親の自宅を訪問する産前産後ケア事業を始めた。妊産婦らは無料で何度でも利用できる。遠方の病院に行かずに済む利点があり、子育て支援策に期待する移住者にも喜ばれている。

道によると、自治体が助産師を正職員として雇用し、対応にあたる例は道内では珍しいという。町内の妊産婦は主に約30キロ離れた釧路市内の病院で出産を迎える。これまでは退院後に町内で助産師による支援が受けられない課題があった。

町は4月、町出身の本郷恵さん(50)を採用し介護健康課に配属。以前は釧路市内の病院で看護師や助産師として働いていた。本郷さんは電話連絡と自宅訪問を通じて授乳指導をしたり、育児の悩みなどを聞いたりしている。2児の母親でもあり「出産に関する不安を解消できるよう実体験を生かして力になりたい」と話す。

棚野孝夫町長は「子育て応援日本一の町」を実践するとしている。町は2016年度から保険適用外の不妊治療費を全額助成するほか、18年度からは子どもの誕生を祝い1人につき5万円の商品券を贈っている。

町の子育て支援に共感し釧路市から昨年移住した海富(かいふ)悟美さん(41)は不妊治療の末、今年4月に第1子の長女咲良(さくら)ちゃんを出産。海富さんは「町の支援のおかげで子どもを持つことができた。町内に頼れる人がまだ少ないので本郷さんの存在はとても心強い」と感謝する。(長堀笙乃)

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