百葉箱ってどこにある? 学校や都会のビルにひっそりと
読者のみなさんの疑問を取材する「みなぶん特報班(みんなで探る ぶんぶん特報班)」が、こどもたちから質問を募った「こどもみなぶん」に、さまざまな取材リクエストがLINEで寄せられました。北海道新聞の記者がこどもたちの「なぜ」を調べ、その結果を紹介します。
「百葉箱」と聞けば、懐かしさを感じる大人もたくさんいるでしょう。千歳市の小学4年生、中村利久(なかむら・りく)君は、休校中に理科の教科書で勉強していたら写真で紹介されていた百葉箱を初めて見たそうです。「鳥小屋かと思いました。自分の学校では見かけません。どこに置いてあるんですか?」
木製の小屋のような白い箱で、天気を調べるために温度計や湿度計を入れ、太陽の光や雨風の影響を受けないように守っています。
学校では天気を勉強するため、校庭に設置されていることが多いです。中村君の住む千歳市の教育委員会によると、市内の小学校17校のうち、百葉箱が確認できたのは11校でした。札幌市の小学校では198校のうち、187校。でも、最近は、ない学校もあるようです。なぜでしょう。
百葉箱を作る岐阜県の会社「大平産業」に取材しました。担当の丸田健一(まるた・けんいち)さん(58)は「定期的に汚れを落とすなどの管理をしなければ、木が腐ってしまいます」と言います。大型の百葉箱の値段は30万円ほど。学校で使えるお金も限られるため、「百葉箱を買い替える学校が少ないのかも」。
授業を研究する道立教育研究所付属理科教育センター(江別市)によると、ない場合は、子どもたちが太陽の光を避けて温度計で測ったり、気象庁の観測情報を調べたりするそうです。
百葉箱は気象庁でも観測に使っていましたが、1993年に自動の観測機器に切り替え、やめました。
でも、見えないところで活躍しています。都会のビルです。大平産業の丸田さんによると、ビルの空調を管理するために温度や湿度を測るとき、計測機器を入れた小型の百葉箱を、ビルの見えないスペースに取り付けているそうです。
丸田さんは「金属などは気温の変化で熱くなったり、冷たくなったりしやすいので、温度や湿度を正しく測るには木の箱に勝るものはないんですよ」と教えてくれました。(門馬羊次)
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